お次はフランスへ。先日の電気化学会東北支部セミコンファレンス直後の9月9日から23日の2週間でした。朝早い便だったので、嫁さんのところ、八王子に1泊し、始発電車で羽田へ。機材はちょっと古いボーイング777でしたけど、787はこの前インドで落ちたし…。目的地はパリ、Air bnbで12泊、羽田から直行便ですが、何と北極を越え、グリーンランドの上空を越えて行きました(東向き、通常と反対方向)。
今回の用務先はフランスのNo.1エリート校、Ecole Polytechniqueでした。現在科研費で推進中のホットキャリア太陽電池について、旧知のJean-Francois Guillemoles先生にコンタクトを取ったところ、当時丁度東大に居たDaniel Suchet先生(東大とジョイントの太陽電池の大きなプログラムがあります)とつながり、今年の2月に同先生に来校講演頂き、それがきっかけで招聘された、ということでした。Ecole Polytechniqueは外国人研究者の招聘について独自の予算を持っているんですよ、スゴイ。これがIPVF (Institut Photovoltaique Ile de France)の建物玄関、DanielさんとナノセンターのAmauryさんが写ってます(C2Nも見学させてもらいました、これまたスゴイ施設)。IPVFの建物全部、太陽電池の研究開発のためだけ。隣にはHORIBAのリサーチセンターがあります。Ecole PolytechniqueにはIPVF含め30くらいの研究所があり、パリの南側のこの地域に集まっています。フランスの「つくば」って感じですね。着いた翌日に講演。最近は一般向けのカーボンニュートラルに関する講演とかが多かったので、久々にサイエンスだけの講演でした。気合入れて準備したものの、30分に詰め込まなくてはならず、駆け足になっちゃいました(マシンガントークは日本語でも英語でも同じ)。ホットキャリアはまだヨチヨチ歩きなんですが、それでも関心を持って聞いてもらい、沢山質問も頂きました。研究室施設(広大なクリーンルーム)も見学、何故か家族も一緒(貴重な経験だぞ!父より)。人工光合成の研究を一緒にやろう!ということになったNegar Naghavi先生(彼女も旧知)が案内してくれました。誰だ?退屈そうにしてるお魚みたいな男の子は?このブログについて
2025年9月26日金曜日
帰国報告(フランス編),大学の国際化③
2025年9月24日水曜日
帰国報告(中国編),大学の国際化②
またまた間が開いてしまいました。この間日米プログラムの学生受入れとか色々ありまして…。色んなことを考えさせられ、発信もしたかったのですけど、日々のことに追われておりました。
上記の学生受入れがひと段落するや否や、昨年のアメリカに続き、今夏は2つの全く違う文化圏に家族総出で渡航しました。一つはコロナ以前から5年ぶりの里帰り、中国への旅行(これは完全にプライベートですが、結局仕事の仲間にも会っている)。もう一つはフランス、パリです(これはEcole Polytechniqueへの招聘、私は仕事、家族はホリデーです)。沢山お金もかかりました(もらっている旅費ではとても足らない)。「色々旅行出来て良いでしょ?」という自慢話ではなくて、とても大切な「仕入れ」の旅行でもあります。色々と新しい学びもあり、世界の変化を感じ、これからについて考えさせられます。大学の教員ってのは「文化の先導者」であるべきだっていつも思っているのです。現実に即したことだけをやっていれば良いのではなくて(誰も問題視しないでしょうけど)、まだ起こっていないことに対して備え、現実を理想に近づけるための導きとならなくてはいけない。なので、時折国外を訪ね、今を知り、アップデートすることは大切な仕込みなのです。導きなどと言うと、何だか押し付けがましく聞こえるかも知れません。「○○でなくてはならない!」と自分の価値観を押し付けようと思っているのではありません。次の世代の人にはその人たちの考えや理想がある、それを信じ、支援すれば良い。それも一理あるでしょう。ただ、知らない人、経験も無い人に「どっちにするか決めて良いよ」と言っても、判断する根拠も持ち合わせていないでしょうから、困らせるだけです。なので、まずは知ることは大切。先生は学生にその機会を作り、何なのかを伝え、相手に考えさせて、道を見出す助けとなる。どこまでが助けであり、どこからが押し付けなのか、さじ加減は難しいところです。ともあれ、いくつかやったこと、思ったこと、について書きとめます。本当は、写真がいっぱいあるのですけど、このご時世人が写っている写真を沢山出すのは憚られるので、風景とかの写真中心でお送りします。
最初は中国、9日間。遼寧省瀋陽に義兄を、吉林省の田舎町に義母やその他親類を訪ねました。過去の訪中時には子供たちは小さかったので、今回初めて自分たちのルーツを本当に理解したと思います。言葉は通じないのに、家族として100%受け入れ、とても優しくしてくれる人たちの笑顔の本当の意味を理解したと思います。「中国は好き?嫌い?」「中国人は好き?嫌い?」というのは愚かな質問で、自分の大切な故郷であり家族です。そもそも人の絆に国境など関係しません。それは今のロシアとウクライナの関係にも当てはまるハズなんですけどね。中国の家族に即座に親しみ、甘えさえする子供たちの親としては、将来への期待がうんと高まったのでした。世界の平和と人類の共存を導く新人類?まあ、そんなプライベートな話はこれぐらいで。
旅の最後には北京にも少し滞在しました。天安門広場、万里の長城にも行き(暑かった!)。
そして、北京でずっとお世話になったのが岐阜大時代のポスドク、今や天津師範大学の副学部長の張敬波先生です。山形大でポスドクだった殷さんも最近北京化工大学の先生になりました。
人写っちゃってますけど、まあほぼ全員公人なので…誰が誰とかは書きません。こうしてみると、自分の元で一緒に研究をした多くの仲間が学校の先生になったのですねえ。嬉しいことです。「中国は最近どうなの?」「日中の共同研究とかやりにくくなって残念」「ペロブスカイトは論文のため?実用化本気でやってると思う?」とか色々なハナシがありました。こういう研究仲間の存在も、自分にとって中国を特別な場所にしていると感じさせます。色々問題があるのが残念でならない…。自分にはどうしようもないし、何かしようとも思いません。しかし、地理的にも文化的、歴史的にも関係の深い中国は、国際化を語る上では最重要でしょう。アメリカ帝国の手先になっている今の日本の歪んだ状態そのままでアジアの恒久的な平和と共存、発展は見込めないと思います。大学の国際化④Z世代の海外旅行離れ?
電通が出している「電通報」にこんな記事がありました。 Z世代の「海外旅行離れ」は国際意識の低下を招くのか? | ウェブ電通報 曰く、海外旅行経験の有無と国際意識の低下は相関しない、というのです。まず、Z世代とは15-29歳の人だそうです。今の大学生はそのど真ん中ですね。うちの子...
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またまた間が開いてしまいました。この間日米プログラムの学生受入れとか色々ありまして…。色んなことを考えさせられ、発信もしたかったのですけど、日々のことに追われておりました。 上記の学生受入れがひと段落するや否や、昨年のアメリカに続き、今夏は2つの全く違う文化圏に家族総出で渡航し...
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皆様、物凄くお久しぶりです。もう2年くらい何も書いていなかったです。この間何もしていなかったわけではなくて、色々と思い悩み、色んなことにチャレンジして、良いことも悪いこともあったのですが、単に書いている時間が無かっただけです。 さて、この2年で気候変動対策、温室効果ガス削減につ...
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もちろん、カードゲームではありません。あの人です。 「トランプ大統領再び」は、しばらくお休みしていた間に起こった一番大きな出来事でしょうね。このブログの主題であるカーボンニュートラル、持続可能な世界、という目標に対しては大きく後退し、元々難しかったこれらの目標の達成がもはや不可...














