このブログについて

国立大学法人山形大学工学部教授の吉田司のブログです。2050年までのカーボンニュートラル社会実現に向けて、色々な情報や個人的思いを発信します。発言に責任を持つためにも、立場と名前は公開しますが、山形大学の意見を代弁するものではありません。一市民、一日本国民、一地球人として自由な発言をするためにも、所在は完全に学外です。山形大学はこのブログの内容について一切その責任を負いません。

2026年9月10日木曜日

AfD圧勝に思う終わりの始まり

 9月6日に行われた、旧東ドイツのザクセン=アンハルト州(Land Sachsen-Anhalt)の州議会選挙で、急進する極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD = Alternative fuer Deutschland)が実に44%の票を集めて圧勝しました。

ドイツ極右AfDが大勝、東部州議会選 過半数にはわずかに届かず - BBCニュース

単独過半数には僅かに届かないため、直ちに州政府政権与党とはならないかも知れませんが、極左政党との連立が模索されている模様。他の政党はAfDには絶対に協力しないファイアーウォールを張っているんだとか。どうなるのか、眼が離せません。これがドイツ全体にすぐに波及するわけではないと思いますが、今回同州の投票率は76.7%もの高さだったということなので、十分民意を反映した結果だと言えます。

合わせると全部で10カ月以上、人生の1%以上をドイツで過ごし、ドイツ人の友達も多い私としては何となく理解してるつもりですし、丁度今月ドイツから来た博士課程の学生とこの件について話しても「やっぱり」という感じなんですが、旧東独の経済的にやや取り残されている同州では不満の蓄積度が高く、その怒りの矛先が移民に向かっていて(他州より移民の絶対数、割合はずっと少ないのに)、移民排斥を強く主張するAfDに支持が集まったということでしょう。低賃金、物価高、雇用不安から起こる不安や不満に基づく自国ファースト思想、右傾化はドイツに限ったことではなくて、今やグローバルな現象。実際のところは、大抵の地域(特に先進国)において、自国民がやりたがらないキツイ、安い仕事を請け負ってくれているのが移民であり、移民を追い出すことによって地域が豊かになることは絶対ないです(むしろ逆)。社会保障、医療や教育にかかる資源を移民が盗み取っているというのも事実誤認で、大抵移民の労働者は若くて元気ですから、むしろ高齢化、弱体化する地域の社会保障を支えてくれているのも移民(外国人も税金払います)。全く筋違いなんですが、怒りをぶつける先として好都合なので外国人排斥に同調してしまう。もちろん、そういう人に外国人の友達や仲間はいませんし、自分の国どころか街を出ることもほとんどなくて、世界で何が起こっているのかなんて関心もない人たちです。だからこそ、「悪者」を作り上げるハナシは人々が窮地に追い込まれた時に特に強く支持されるわけです。そう、悪意に基づくヘイトではないんです。AfDの支持者も、MAGA派も、きっと心底外国人を憎んでいるわけではないんです。そもそも憎む理由を見つけられる程理解はしていない。良く分かんないからこそ、怒りをぶつける相手として外国人は好都合なんです。根源にあるのは、そうした「蓄積された不安・不満」でしかありません。それを利用して自分への支持を集めようとするポピュリスト政治家こそが悪人なんですが「民意ですから」の民主主義プロセスを経ているのでこの結果を断罪する力は存在しない。ヒトラーも民主主義プロセスを経て国の頂点に立ったことを忘れてはなりません。

で、これからどうなるか。まず、ドイツについては連邦制で各州の権限が強いので、ザクセン=アンハルト州が極右となれば、教育や医療、社会保障、就労などで極端な外国人への差別が起こる可能性はあります。そしたら移民は逃げ出すかも知れませんが、地域経済はより悪くなります。そうすると、新しい「敵」を生出す選民思想へと発展していきます。「無知から生じる低俗なポピュリズム民主主義」は自らを破壊します。それから脱却する、恒久的な平和と安定を目指す、真の先見性を持った政治が主導する民主国家は実現可能か?わかんない人を責めるのではなくて、そういう人も含めて誰一人取り残されない、一人一人が尊重されつつ、長期的にも国家を滅亡に導いたりしない優れたリーダーシップ?それは無理でしょうねえ。そんな神様みたいな人って存在しない。残念ですけど。このまま行けば、今は比較的豊かな西側ドイツでも右傾化が進むでしょう。他のEU諸国も同じ。他人事じゃなくて、日本もそう。その先にあるのはファシズムの台頭、あるいは恐怖の社会主義専制政治体制への革命。どっちも嫌ですけど、どちらも蓄積された不安・不満を解消するかの様に見えてしまうので、民衆の熱烈な支持を得る可能性があります。やはり、不満の蓄積こそが根本原因。

AfDの勝利に、トランプさんからも、ロシアからも祝意が送られたそうで。もちろん、トランプさんはロシアや中国を強くはしたくないでしょう。極右政党の台頭にアメリカとロシアが同じ希望を見出しているわけではない。EUの要であるドイツが自国第一の極右に陥れば、EUは崩壊します。バラバラになれば、アメリカの横暴に対してEUとして一致団結した対抗は出来なくなる。弱小化した個々の国家は再びアメリカに従属せざるを得なくなるでしょう。アジアにはEUに匹敵する民主同盟はそもそも存在しないですから、当然日本はアメリカ従属です。日本と中国の仲が悪いのは明らかにアメリカを利するということ。一方で、EUが分裂した時、ハンガリーの様な親ロシア的な国は再びソビエト連邦に取り込まれることになりそうです。「どちらかを選べ」と踏み絵を踏まされることになるわけですな。「どっちが強いか」の二極はダメなんです。三極が重要。例えば資源や食料を豊富に持つグローバルサウスの国々が団結して、「金は要らない、クルマもスマホも要らないから出て行け、お前たちに資源は売らない」という選択肢をとって地産地消の食料自給に専念する、ということは出来ないですかね?食料や資源を輸入に頼る日本は即降参ですよ。お互い相手の言い分を聞かなきゃいけない。

そうして、世界は終わってゆく。こともあろうか、且つてその道を辿って大きな過ちを犯したドイツで、極右政党AfDが大勝したことは「終わりの始まり」を象徴する出来事と思えてなりません。そしてこれは一過性のものではなく、遠く離れた世界のことではなく、日本を含む世界全体に及び、深刻化していきます。冷戦時代、世界は二極化し(第三世界は取るに足らなかった)、一触即発の危険な状態にありました。しかし核のボタンは「世界を終わらせるボタン」であることを理解していたから、それが押されることを回避出来ました。ところが、サイバー攻撃や殺人ドローン等を使ったピンポイントの攻撃が可能になったことで、今日では開戦への敷居がうんと下がってしまいました。一旦始まると、終わらせることが如何に困難であるかは最近の事例が再認識させています。地域の戦争がある閾値を越えれば、それは世界大戦になって一瞬で世界を終わらせてしまうことでしょう。

これはカーボンニュートラルのブログなんですけど、最近はこういうハナシばかりですね。考えれば考える程、そこに行き着くからです。生き残りのために、世界全体が協力できる平和が一番大切。「夢のような、魔法の様な技術が現れて気候変動問題を解決し、持続可能な発展が可能となりました。世界のみんなが幸せに暮らしましたとさ、メデタシメデタシ」はもちろんあり得ません。一人一人の研究者は自分に出来る精一杯のことを勉強して、分かったことを書き残していけば良い。「私の研究で世界が救われる」ことはない。即効性は無いけど、教育にしか未来を創る力はないと思っています。声のある限り、語り続けます。

2026年8月26日水曜日

中国再考

 先日の「人新生の黙示録」と中国訪問で感じたことを経て、さらに考え続けております。少なからず影響したのが、麻生晴一郎氏のコラム。

麻生晴一郎さんのページ - エキスパート - Yahoo!ニュース

「ノンフィクション作家」という肩書きですが、経歴を見るとかなり中国に奥深く関わってきた方。上記リンクから色々な記事、レポートみたいなのが読めますので、興味のある方は是非。私は中国に家族がいるという個人的事情と研究仲間との交流(最近はずっと停滞!)がありますが、そう頻繁に行くわけでもないし、行くところは大体同じ。何しろバカでかい国ですから、中国のあらゆる場所に行くことなど不可能ですが、麻生さんは相当な田舎にも入り込んでいるようです。民主化運動の活動家とつながっているということで入国拒否されたこともあるようです。だから私なんぞよりもよほど中国のリアル、政治のこととかではなくて、ありのままの中国人を良く知ってらっしゃる。それでも、私の限られた経験と照らし合わせても思わず膝を打つ「中国あるある」が断片的に見えて、面白かったです(青島にまた行きたい!)。

何年も前に義兄のところに行ったのがクリスマスの時だったんですが、クリスマスを祝っちゃいけない雰囲気があって「え?」と思ったことがあります。まあ、中国にいて反日感情の様なものを感じる時が無いわけでもありません。が、麻生さん言うとおりで、とても居心地が悪いかと言えば全然そんなこともありません。日本人だというのがバレてない?韓国人だと思われてる?そういう時もあるかも知れませんけど、恐らく日本人と知っても気にしない。日本のプレゼンスが低下している、というのもあるかも知れません。最後の話にある「中国は思ったほど変わっていなかった」はそうなのかなあ、と。昔がどうだったかを知らない者としては何とも言えませんが、14億の衣食住を満たす中国の逞しさを再確認した今回、世界の混乱を横目に我が道を行く中国人の変わらなさみたいなものが分かった気がします。むしろ「変わったのは日本人のほう?」が説得力を持つ。反米も感じませんよ。McDonaldはあるし、KFCもあるし、アメリカ的なモノが排除されているわけじゃないです。ただ、クルマにしても、ファッションにしても、中国ブランドが良いモノになりつつあり、中国なりに成長、成熟し、自信を付けつつある印象です。北京の様な大都市は、ぐちゃぐちゃな昔の街と物凄く整備された表通りとが混在していて、変化と発展のパワーを感じます。その表のところに我々の意識が向かいがちなのですが、実はそのぐちゃぐちゃの裏通りが今でも元気な人民の生活の場になっていて、過疎化し衰退する日本の田舎とは対照的な感じがします。今日的な豊かさが中国の発展を印象付けるけど、中国人は変わっていない、ということですかね?

麻生さんは、人権活動家などとも繋がりがあるようで、やはり中国の民主化を願う一人なのでしょうか。私も、個人的選択としては明らかに民主主義の信奉者です。しかし前回の考察のとおり、持続的な発展を実現するためには中国のやり方しか無いのではないかという思いが募っています。もちろん、それは「全ては人民のため」という同胞愛が基盤であって、それが「中国人の変わらなさ」の裏付けであるということを信じるならば、です。少なくとも、個人の所有を認め、法の下での全ての自由を認める、資本主義原理に基づく自由競争社会では、気候崩壊や資源枯渇の限界にぶち当たった時に自らを改革し、民主的な社会主義体制への変革を自発することは出来ない。奪い合い、競争がより激化し、生き残る者と死ぬべき者が選別されるファシズムに陥るだけでしょう。残念ながら、斎藤幸平さんの様に皆が思考し、限界を認め、生き残りのために協働出来る程賢くはない。

私は、比較的恵まれた環境にあり、一定の社会的成功を収めた中国人しか知りません。なのでそれを中国人のリアルと思うのは恐らく間違いなのでしょう。でも、例えば愛想の良いホテルの従業員などを見ても、恐怖に怯える虐げられた人々には全く見えません。人の優しさや笑顔に出会うことは全く珍しくは無く、同じように人生を送る人たちにしか見えないのです。(不可侵の壁はあっても)一定の自由を認め、競争原理を導入し、成功の報酬も与えることで中国は発展しました。お腹を空かせていないだけでなく、豊かさも手に入れました。人民の力を引き出す一方で自由を制限し、システムの秩序と安定を維持しながら発展しているのだと思います。中国人は決して絶望している人々ではないです。アメリカと肩を並べる程に成長したその時、発展の限界を迎えたその時、変わらぬ中国人は再び食べ物を分け与え合うことが出来るのではないでしょうか?恐怖による支配ではなく、同胞愛に基づくすべての人民のため、の原点に立ち返り、持続する中国を実現出来るかも知れません。そうであって欲しいな、という願いも相当入っています。

2026年8月20日木曜日

「人新生の黙示録」と中国再訪で思うこと

 皆さんはもうお読みになったでしょうか?斎藤幸平さんの著書「人新生の黙示録」。

人新世の「黙示録」(集英社シリーズ・コモン)/斎藤幸平 | 集英社 ― SHUEISHA ―

斎藤さんの肩書きは「経済思想家」となってます。そうですね、思想家だと思います。前著「人新生の資本論」が大ヒットして、当時大阪市立大准教授であられたのが、今は東京大学准教授(いっつもそうだよなー、妬みじゃないですよ)。資本論の方も読みました。「脱成長コミュニズム」がその時の方向性で、それもそうだよなーと当時思って、面白かったのですけど半分ぐらいで読むのをやめてしまいました。でも今回のは危機意識のレベルが違う。前半だけ読んでいると絶望してしまいます。斎藤さんがエライなあと思うのは、可能な限り広い視点から、世間のバイアスに流されない分析を元に持論を展開していくところです。文章表現力も私など到底及ばないレベルで、とても分かりやすく、説得力のある文章に引き込まれます。上記前半部分はもう、嫌気がさすほど正しくて、何故資本主義が人類の滅亡までの時間を急速に消費してしまうのか、全くその通りだと思います。人々は資本主義絶対の呪縛に囚われていて、変化を拒み続けることでテックエリートの餌にされています。資本主義は「クソ消費」によって資源の無駄遣いと気候崩壊を導いています。世界の終わりが迫りくることを認め、それを何としても回避するための思想に至り、行動しなければ確実に我々が記憶する「世界」はその終わりを迎えると思います(「地球」は無くなりません)。

これからの社会を創っていく学生の皆さんは、是非読むことをお勧めします。特に「ものづくり」の価値をナイーブに信じている工学部の学生さんにはショックだと思います。上の話だけだと「絶望」しかない様ですが、そうではありません。終末までの時間がもう長くはない。それは残念ながらそうです。だから今こそそれに向き合わなくてはならない。この本を入手してからタラタラとなかなか読み進まなかった(色々考えてしまって読むのが遅いです)のですが、後述のように、今夏中国を再訪(去年の夏に続き)している間に読み終えました。最後まで読むと、絶望しないためのメッセージがあることが分かります。斎藤さん言うところの「暗黒社会主義」に生き残りへの道が開かれる。「暗黒」などと言えばやっぱり絶望的な状況しかイメージ出来ないんですが、それは違います。「社会主義」はその前例からトップダウンの恐怖社会を連想させますが、それも違います。社会主義とは人民が互助する仕組みづくりであって、個人主義、民主主義を排除し、国家というシステムを強固にすることと同一ではないのです。今一番大切なのは、無駄遣いをやめ、戦争をやめ、如何にして共存し、持続する幸せな世界を実現するのか、ということに尽きると思います。斎藤さんの「暗黒社会主義」に共感はします。ただ、80億を超える人々、色々な境遇にある人々が協働し、その実現を目指せるのかと言えば、可能性は限りなくゼロに近いと思います。斎藤さんを越えるアイデアが浮かぶかと言えば、無理です。自分には賢さが足りません。少なくとも、考え続けること、訴え続けることの大切さを再確認させてくれたこの本に感謝します。言い訳ではなくて、これからの世界により大きな役割を果たすのは私ではなくて、若い学生諸君です。だから、今この時に是非この本を手に取って下さい。

さてさて、中国のハナシ。去年と同様、家族の帰省が目的だったのですが、中国、遼寧省、吉林省に行ってきました。個人的にとても大切なことがあったのですけど、それはここには書きません。例のEVだらけ、ということについては1年前と大きく印象が変わったわけではありませんが、今やレギュラーガソリンが日本円換算で202円/リットルと中国の方がずっと高いことに驚きました。イラン戦争や円安の影響もあるのかも知れませんが、ガソリンが高いのはEVに誘導する政策の一つなのでしょう。太陽光パネル、EV充電施設の充実、エネルギー自給と安定化、クリーン化(実際都市部の空気は綺麗です)、持続可能な仕組みづくりという点で圧倒的に中国の方が進んでいます。一方で人の無駄遣い度は日本よりも酷いかも知れません。ゴミを出し過ぎです。要するに、これらの変化は人々の意識の向上からもたらされているのではなく、トップダウンで進められているということです。瀋陽から吉林省の義母のところに向かう田舎(立派な高速道路が通っています)は相変わらず緑豊かで、「こんなに食うのか?」と思う程延々とうもろこし畑が広がっていました(とても美味しい)。ど田舎でも街灯が太陽電池+LEDだったり、開発の成果は及んでいるものの、相変わらず民家はかなりお粗末で、自分にはとても無理!道端では丁度シーズンのスイカが山ほど並び(これも美味しい!)、誰も飢えてはいない、食糧が豊富であること、さらに自給されていることに気付かされました。そうなんです。14億の民が飢えていないのです。義兄の豪邸から田舎のボロ家(失礼!)まで、食べきれない御馳走から簡素(でも大抵旨い!)な食事まで、センスと品質が共に高い新中華ブランドのファッション(結構良いモノです)から相変わらず上半身裸で短パン+サンダルの東北のオッサンファッションまで、格差はあれど、斎藤さん言うところの「コモンズ」いわゆる「衣・食・住」を14億人分満たしているのです。それって凄いこと。改めて中国の実力はそこにあるのではないかと気づきました。実は義父のお墓参りの時、とうもろこし畑の中をしばらく歩いたんですけど、臭いのなんのって。どうやら化学肥料は殆ど使っていない「有機栽培」のようです。それでこれだけ大量のとうもろこしを作れる?循環型持続可能農業?だとしたら、物凄いことですよ。恐らくはそれも環境意識とかいうことじゃなくて、コスト的に安いから出来上がった仕組みなのだと思いますが、14億の胃袋を満たし続けることが出来る能力、これは本当に凄いです。

そして今日の中国は知ってのとおり軍事強国であり、AI、ロボット、宇宙などあらゆる先端分野で米国に匹敵し、電池産業などは圧倒的に世界一です。レアアースのことなども、しっかり先を読んで来るべき時に備えてきたからであり、かなりエゲツナイ手を使ってでもグローバルに資源や食料の確保に取組んできた成果です。中国のリーダーの先見性、賢さを認めざるを得ません。人口がついに中国を上回ったインドも今のところ飢えてはいませんが、どうして発展出来ないのかと言えば、個人の所有を認める民主主義、資本主義陣営に組み入れられているからです。政府は調整役をしているに過ぎず、それを「民意」だと国民に説明して無策に陥ります。そのまま膨張を続ければ、生存する人と見捨てられる人が区別される選民思想(ファシズム)に突入します。それは一番恐ろしい社会ですね。しかし民主主義は捨てられない。人権、平等、表現の自由は人として生き、人生に意味を与えるために絶対必要なこと。だから私は中国では生きられない。しかし「国旗損壊罪」を成立させる日本に表現の自由はあるのか?個人の自由や所有を奪う全体主義にしか生き残る道は無いのか?もしもボトムアップ式に、分かち合うこと、持続可能であることを最優先とする社会主義を選択出来るならば、それは民主主義でもあるのか?現実には、民意によってそれを選択することは極めて困難と思えます。例えば、庭から石油が出てきた人に「掘るな」と言ってそれを取り上げるなんて出来ないでしょう。100年にも満たない戦後に辿ってきた歴史だけを見れば、個人が取るに足らぬ存在として蹂躙され、「全ては国家のため」の恐怖社会として中国が発展してきた様に思えますが、それは本当にそうでしょうか?今回の中国旅行で浮かび上がった最大のクエスチョン、ある意味「希望の光」はそれです。14億の胃袋を満たす実力を目の当たりにした時、「全ては人民のため」が中国共産党の本質であり、それは今も変わっていないのかも知れない、と思えました。ちょっと好意的過ぎますかね?

斎藤さんが提示する「暗黒社会主義」への自発的変化は残念ながら期待出来ないです。資本主義のバージョンアップではなく、資本主義を捨てなければ日本を含む資本主義国家は困窮し、衰退するか戦争を起こして自滅します(多分後者)。全員が生き残ることはとても出来ない。しかし、核戦争が起こったりしなければ、ひょっとすると中国だけは生き残ることが出来るのかも知れない。但し、生き残るに値するのは「中華民族」だけですけど。「人民のため」が支配のための偽りではなく、本当の同胞愛から発せられているのであるならば、世界が滅亡しても中華民族は滅亡しないかも知れません。昨今の中国に恐怖しか感じないのは、アメリカを打倒すること、追い付き、追い越すことが目的化してしまっているからでしょう。そうこうしているうちに(やはり戦争にならなければ、ですけど)世界は困窮し、競争に勝つことよりも安定と秩序を守り、持続することが重大な目標になります。その時、実力を蓄えた中国は衰退するアメリカを横目に持続する中華民族の繁栄を実現するかも知れません。今の中国は貧富の格差が甚だしい社会ですが、個人の所有などそもそも認められていないのです。いざとなれば、富裕層から富を取り上げ、全ての民が生き残るためにそれを分け与えることが出来るのです。同胞愛の名のもとに。やっぱり私は中国では生きられないですけど、ちょっとそういうのを信じたくなっちゃいました。中国共産党は人民を食い物にするモンスターではないでしょ。資本主義の過剰消費によって人々を食い物にしているモンスターがGAFAMじゃない?

斎藤幸平先生、どう思います?欧米さらには日本といった列強との戦いにおいて、あるいはその内戦でも、中国の過去には恐怖を感じる、人権を踏みにじる出来事が多くありました。しかしそれは中華民族の本質であるのか?中国のエボリューションによって持続可能な世界が実現する、というシナリオはあり得ないのでしょうか?少なくとも、アメリカが自発的に変化することよりも可能性が高い様に思えます。

2026年6月15日月曜日

かっぱえびせん

 ついに見つけましたよ!ポテトチップじゃないけど、おやつの定番、「かっぱえびせん」の白黒バージョン!

先日、いつものスーパーで買い物をしていたら、銀色のお菓子袋をカゴにいっぱい入れた人を発見(この人も面白ネタで購入?)、まさか!と思い探したら、ポテチじゃなかったけど「かっぱえびせん」の白黒がありましたよ!とりあえず一つゲット。実はウチに買い置きしてあった従来型かっぱえびせんがあったので、並べて写真撮りました。どうですか?インパクトあるでしょ!あらためて、本来の袋が如何にカラフルなのかが分かります。「正直、綺麗な方が美味しそうに見える」というのが見た人の感想。当たり前ですけど、味は全く変わりませんでした。それこそ、綺麗なお皿にでも入れて袋は即座に捨てればどっちだったかは分からない。今はこのかっぱえびせんだけが地味な白黒で、他のお菓子とか食品類の包装はカラフルでしたけど、もしも棚の半分以上が白黒だったら、風景変わりますよね。「これはいったいどういうこと!?」と普通じゃないことに誰でも気づくはず。
面白半分に(?)と言ったら失礼ですが、丁度来学中のIRES生をウチに呼んで餃子パーティーをしていた時に、カラフルと白黒を持ってもらい写真をパチリ。詳しくは書きませんけど、これには深いワケがある・・・。どうして、白黒になっちゃったの?誰が始めたの?そういうことです。
報道では、そこまで突っ込みませんけど、「目詰まり」という言葉を使って「石油は足りている!」「ナフサは足りている!」「パニックにならないで!」と政府が躍起になっているのは分かりますよね。恐らく、カルビーのこの行動を経産省の役人さんとかは苦々しく思っているのではないでしょうか?政治家はもっと?国民の不安や不満が高まり、ある方向にそれが向かって行くことを恐れているのでしょうね。政府は"Everything is under control"を強調したいわけですが、スーパーが白黒になったらニュースを見ない人でもとんでもないことが起こっていると分かる。「え、それってイランの戦争のせい?」「誰が始めたの?」「それって国際法違反じゃないの?」「日本政府はなにやってるの?」「○○○プ大統領を非難しないのはどういうこと?」となっちゃいますからね!
つくづく、私達の幸せは世界の平和と協働の上に成り立っているということ。視野が狭くなれば、自分の正義を振りかざして人殺しまで正当化すること、その先に本当の幸せはないですよね。お互いをもっと尊重しましょうよ。
と、このネタを書くぞ、と思っていたところにイランとアメリカが合意を結んだ、というニュースが入ってきました。ワールドカップ、日本がオランダに引き分け(凄いぞ!日本!)というニュースと共に。と思えば、イスラエルは再びレバノンのヒズボラを攻撃。本当にホルムズ海峡の閉鎖がとかれ、石油が動き始めるのであれば世界にとっては良いこと。詳細は明らかではないですが、恐らく核開発の断念とかは合意には含まれていないことでしょう。書いてあったとしても、双方いくらでもグレーな解釈を始めます。イスラエルも矛を収めない。そうすると、下手すれば数カ月も経たないうちに再度軍事衝突するかも知れません。今回の戦争でイランは軟化するどころか、アメリカに対する不信をより高めました。イスラム政権も無傷、再生してより強固になることでしょう。そうすると、「あの戦争は一体何のためだったのか?」と米国内での不満も高まります。ということで、さっさと退陣!状況が変わって平和が取り元されると良いなあ。学術交流もね、再開!


2026年6月4日木曜日

67万人

 最新の人口統計で2025年の日本の出生数がおよそ67万人で、前の年からおよそ1.5万人減、統計を取り始めてからの最低記録を更新したそうです。

【詳しく】去年の出生数67万人 過去最少 少子化対策ポイントは | NHKニュース | 少子化、厚生労働省、家庭・子育て

恐らくこれには外国人の子供も含まれているとは思いますが、スゴイ数字です。なんせ、全員100歳まで生きたとしても、100年後には6700万人ということですからね。だいたい今の人口の半分、つまり人口を維持するための半分ぐらいしか新しい命が生れていないということ。

面白いのは(面白がってはいけない?)、出生率が「西高東低」だということ。

出生率に「西高東低」傾向あらわ 「男女の役割分担への意識」の地域差が影響か 識者分析 - 産経ニュース

特殊出生率の最低がブッチギリ東京の0.96なのは当然として(他の大都市も同じ)、北、東に行くほど低くなり、西、南に行くほど高くなる傾向が明白。沖縄県を筆頭に、九州、四国の各県が比較的高く、東北は明らかに下位。我が山形県も1.2を切り、最低クラスです。この違いが経済格差とかから生じているのではないのは明らか。各自治体の子育て支援策とかも似たようなものなので、そういう違いでもない。「男女の役割分担への意識の違い」そうでしょうね。東海で生まれ、関東で育った私からすると、明らかに感じますよ、東北の人って良くも悪くも保守的。「男は食いぶちを稼ぎ、女は家庭を守る」みたいな古臭い考えがかなり生き残っています。

でも実は、私が岐阜を飛び出したくなったのは、「保守的過ぎる!」と感じたからなんですよ。そもそも、戦後復興期に「失うものは何もない!」とばかりに失敗を恐れずイノベーションに果敢にチャレンジしたのが東海でした。それら先人の努力によって多くの自動車メーカーを世界の頂点に押し上げ、日本に豊かさをもたらしたのです。電気で頑張ったのは関西ですね。でもそれら電気や自動車はどんどん不調になり、新興国の追い上げ、ついに追い越されるところまで来てしまいました(今やヒュンダイが世界3位、EV+PHEVだけのBYDが世界6位、1位のトヨタ以外は沈んでます)。それでも、特にトヨタの強力なものづくり基盤があって、東海地区はまだ水面に浮上している感じ。なのでその勝ち組の地位を失うまいと、逆に超保守に舵を切っていると感じました。具体的には、岐阜大工学部の日本人学生って、まず博士課程には進学しないですよ。T社関連企業の就職が約束されているのだから、博士論文研究なんてリスクとしか感じない。大学自体もそうです。強固な事務組織がカチッとした仕事をしますから、失敗はしないけど、新しいことへのチャレンジには大変後ろ向き(やらない理由で説得される)。「自分が日本を変えるんだ、世界を変えるんだ!」ぐらいに超生意気に思っていた若いころの自分は、そうした保守的な雰囲気に怒りさえ感じていたと思います。それで、山形なんてとっくに沈没していて、潜水艦状態。「有機エレクトロニクスの山形大学!」を掲げて「いつかまた浮上してやる!」とチャレンジを始めた山形大学がキラキラして見えました。まあ、実際に来てみると外向きとは全然違うことも分かりました。やっぱり長い年月の中で育まれてきた地域の文化と伝統、人々の思考、メンタリティーってのはそう簡単に変わるものではありません。東北の人の根底にあるのは、厳しさを耐え忍ぶこと、「おしん」なのです。だから上記の「男女の役割分担への意識」って凄くよく分かりますよ。今になって分かります。実は岐阜大の方がずっとプログレッシブ。さっさと東海大学機構を作って名古屋大の傘下に入ったのは、現実の変化をしっかり見通して、岐阜大としての社会的役割を模索しているのだと思います。生意気な若造には分からなかったな、ハハ。

しかし、沖縄県の1.52人さえ、人口維持には全く足らないわけです。やれ結婚する人は増えているし、婚活を支援する地域の「おせっかい」が大切だとか上記ニュースで言ってますが、「産めよ増やせよ」ではないのは明らか。自分の将来、そして子供の将来を考えた時に、「子供を育てるなんて無理!」と感じてしまうのが今の世の中。支援策も大切だけど、世界の今の状況を考えたら状況が根本的に改善するとも思えない。なので、日本の人口は確実に減ります。以前も書きましたが、ざっくり言って日本人が年間100万人減り、外国人が50万人増え、人口減少を緩和しているのが現状です。相対一年で150万人の変化、人口の1%以上。この傾向は増々加速するでしょう。街の景色はどんどん変わっていきます。それに耐えられなくなる人が現れて、右傾化するのはアメリカやヨーロッパで先に起こったこと。日本もどんどんそうなっています。悲しい。

日本の活力を失わないためには、移民政策を成功させるしかないです。色々壁を作ったとしても、必ず外国人は増えます(アメリカ見たら分かるでしょ)。どうやって共に働き、平和で安定した幸せな社会を作っていくのか、それが大事。そのために私は今何を学ぶべきなのか、そういうことを学生諸君には考え、実践して欲しい。先日、別のニュースで物流を担うトラックドライバーが圧倒的に不足し、2030年には今の2/3ぐらいの能力に低下する恐れがある(あと4年ですよ…)、ということでした。自動運転とかっていうハナシもありますけど(技術的に実現しても、広く普及することはないと思う)、現実にはドライバーをどう確保するか。それで、技能実習生制度で運転手もOKに、いつの間にか法改正されていました。一方で海外の免許の書き換えを厳格化するとか。高速道路逆走とかひき逃げとかありましたからね、何でも外国人だから悪い、ということになってしまう。この変化を見越して、カンボジアで日本で働くトラックドライバーを養成する会社があるそうですよ。

深刻化するドライバー不足 カンボジアで即戦力を育成 “日本式”交通ルールで親和性

いいんじゃないですか?アマゾンの荷物を配達してくれる人が外国人だったら嫌ですか?さもなくば高齢ドライバーにお願いするしかないですよね。ガードレールに突っ込んだり、ひき逃げすることがあっても日本人の方が良い、じゃないよね。日本で働いてくれる外国人、有難くないですか?

最後に蛇足。邦題が「おせっかい」のPink Floydの名盤、"Meddle"のLPレコードを最近買いました。やっぱ良いわ!

2026年5月12日火曜日

カルビーポテトチップス白黒化!

 このニュース、驚くと同時に色々と考えさせられました。

「ポテトチップス」パッケージが白黒に カルビーの一部商品で使用する色を2色に変更 7月予定「サワークリーム風味」も発売中止|FNNプライムオンライン

おやつの定番、あのオレンジ色のポテトチップが白黒になってしまうのです!理由はイランへの軍事攻撃による石油不足、ナフサの不足。カラフルなインクもやはり石油由来なのですね。そもそも袋がポリエステルですが、それに封止材としてアルミを蒸着してあります。プラスチックでは色は綺麗に出ないので、酸化チタンとかの白い下地が塗られています。たかがポテチの袋ですが、テクノロジーがいっぱい。だからこそ、購買意欲をそそるカラフルなパッケージ。パリッと新鮮なポテチ。今、それら全てが高くなっているわけです。袋だけじゃなくて、中身も。ジャガイモの生産、ポテチの製造、全て以前より高くなる。ならば、同じカラフルな包装のまま、中身をちょっとだけ減らす(例えば60→55gに)ステルス値上げという手もありでしょう。皆さんどれが良いですか?①普通に値上げ?②ステルス値上げ?③パッケージ白黒化?
私なら、最後の白黒化。当たり前ですけど、欲しいのは中身のポテチであって、袋ではない。とは言え、これは凄いインパクトですよ!「そこまで深刻なのか・・・」とカラーインクをケチる石油不足の影響に衝撃を受けますが、実はカルビーさんの大英断に拍手を送りたい!!①や②なら、消費者はほとんど気付かない。少し時間が経ったら忘れてしまう。でも③は状況の変化を誰でも感じることが出来る。業界最大手のカルビーですよ!是非湖池屋さんとか、他のメーカーも追従して欲しい。お菓子だけでなくて、他のパッケージもね。スーパーの商品棚にグレーの商品が並んでいるところを想像してみてください。誰だって深刻な状況の変化に気付きます。カラフルなパッケージは確かに消費意欲をそそる。みんな白黒だったら塩味とコンソメとのりしおを見分けることも出来ないし!だからこそ、各メーカーさん、袋のデザインや鮮やかさにもうんとこだわって、相応のコストまでかけてきたわけです。しかし今、世界はそんなじゃない。一人一人の消費者に、自分自身の生活への振り返り、未来世代も困らない様に持続可能な生き方をすることを考えさせるチャンスを与えてくれると思います。自分たちは、普段どれ程資源を消費してきたのか、日々の生活が資源に支えられてきたのか、それはいつまでも地球から奪い続けられるものではないのだ、ということ。
たかがポテチの袋ですが、街の景色を変えることでしょう。今月終わりごろから出回る見通しです。実は楽しみです!これを機会に、みんなで考えましょうよ!必要なのは助け合い、殺し合いではありません!

2026年3月13日金曜日

EVシフトを考える㉓(ホンダ大赤字!)

 各種報道のとおり、ホンダが今季6900億円の大赤字の見通しだそうです。

決算:ホンダが最大6900億円の最終赤字、26年3月期 EV損失で上場来初 - 日本経済新聞

最終赤字となるのは上場以来初めてだそうです。EV関連での損失は最大で2兆5000億円になる見込みだとか・・・天国で宗一郎さん泣いてるなあ。

何故EV関連で損失が出るのか?実はホンダだけではなくて、EVシフトに前のめりだった自動車メーカーは軒並み苦境に立たされています。中国最大手のBYDも利益は相当減っているみたいです。「EVも、やります」で堅実な戦略をとっていたトヨタは比較的安泰?要は、売れないですよね、EV。やれ充電設備が無くて不便、とかいうこともありますけど、そもそも高すぎる。電気を安く、グリーンに作れたとしても(原子力もアリで?)、蓄電池とレアアース、やっぱり資源依存が高すぎて、これからどんどん安く作ります、とはいかない。資源を握っている中国が優位なのは明らか。やっぱりね、早まったよね、ホンダ。売上は当然四輪事業の方が大きいけど、利益を出しているのは二輪事業の方だそうですよ。そりゃ当然、ホンダはバイクのメーカーですから!バイクでのホンダの強みは大変あると思いますが、需要の大きい四輪は競争が激しくて利益率が低いということですな。

まあ、こうなるであろうことは明らかでした。2040年までにガソリンを使うクルマを無くす(EVやFCVのみ)というホンダの発表は信じがたかった。何しろ、素晴らしいガソリンエンジンを作れるメーカーです。やるなら、グリーン燃料の開発を本気で目指して欲しかった。且つて自動車好きが酔いしれたホンダF1のV12気筒エンジンを高らかに歌わせても、温暖化しないんですよ、の方が魅力的。グリーン燃料の本格利用ってのは全然現実味が無いので、それで電化だったんだと思います。私もBEVはいくつか運転しましたが、ガソリンでなくても運転がツマラナイことはありません。むしろ静かで力強く、滑らかに走るBEVの運転は楽しいと思います。運転の楽しみを奪う自動運転は要らないですけど(個人的に)。

ガソリンの様な化石燃料にしても、リチウム、コバルト、ニッケル、レアアースの様な鉱物資源にしても、どっちも日本は持っていないです。それで、どっちが高くつくかと言えば、明らかに後者。中国が鉱物資源を牛耳っていて、それを外交の場で武器化するのはけしからん?資源を沢山持っている国は良いよね?それも違うんです。中国がそれらを牛耳っているのは、資源を持っているからではなくて(ある程度は持ってるけど)、日本やアメリカが中国の生産に依存したからです。最近南鳥島周辺の深海6000メートルからレアアースを含む泥を採取することに成功したことが大きく報道されました。

南鳥島沖レアアース「試掘成功」でも…「世界シェア9割」の中国に抗う「長く厳しい道のり」

これで日本も資源大国!もう中国の好きにはさせないぞ!って感じで政治的に利用されてますね。でもそれ、ただの泥です。レアアース製品ではありません。レアアースに限らないですけど、鉱物資源から必要な成分を取出して純化するのはとてつもなく汚い作業です。沢山のエグい酸とか使い、大量の廃液が生じます。日本やアメリカの環境基準を満たすには大変なコストがかかることになります。一方で環境規制がユルユルというか、カネのためなら何でもやる中国は安く良い製品を供給してくれるわけで・・・ならば中国から買ってしまおう、汚い仕事は中国に任せよう、と自国の産業を断念した結果、いつの間にか完全に中国に支配される状況になったのです。つまり、自らが生んだ問題。

「モビリティーのオール電化なんて絶対無理!」と断言し続けるのは、エネルギーや資源をバカ食いする産業だからなのです。他国を排除して、自国の産業だけ守ることなど出来るわけありません。EVに限らないですけど、人間の欲望を全て満たし、尚且つ環境を破壊せず持続可能である薔薇色の未来は幻想です。テクノロジーは素晴らしいですが、それにアクセス出来る人は人類の何パーセントでしょうか?パリの街角で見かける一箱20ユーロの高級なチョコレートを食べれるのは誰?カカオ豆を生産する人はそれを食べたことがあるでしょうか?

2月4日に「イランのことが心配・・・」と書きましたが、本当に戦争が始まっちゃいましたね。お陰でガソリン価格が急騰。物価高対策の目玉であった暫定税率廃止でやっと下がったのに、逆戻り、もっと高くなるかも。先日アメリカの友人と話していた時に、彼は「これでEV人気がまた復活するかも」と言っていましたが、私は懐疑的です。電気だって化石燃料に依存してる。だから原発回帰?ちょっと前までは「脱原発」「再エネ」が掛け声だったのに。原発を新造しようとすれば、地質調査、建設、試験運転で操業するまでに20年かかります。地震国日本で地域の合意を得ることはまず無理。2050年カーボンニュートラルには絶対間に合いません。安全性が極めて高い「次世代革新炉」ってのも誤魔化し。次世代、とか、革新、って言葉が並ぶと、何だか全然違う良いモノに聞こえますよね。でもその実態はここに説明されています。

「原発回帰で電気代が下がる」は大ウソ…建設費を国民に肩代わりさせる「1兆円超・次世代原発」のカラクリ | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

メルトダウンしても、燃料デブリを受ける受け皿が付いているんだとか・・・スゴイね!革新的!一定の効果はあるのでしょう。でも、様々な安全対策でコストは上がるばかり。それについても、上記友人は「いや、溶融塩トリウムの原子炉は絶対安全!」と主張していましたが、これも研究段階。そもそも、そうした最高級発電施設を手に入れられるのは人類の何パーセント?地球上には、まだ電気の無い暮らし(送電されていない地域)をしている人が10億人以上いるのですよ!10億人に満たないG7の国民が世界のカネの半分以上を支配し、下位半分の40億人のカネは2%以下です。それぐらい、世界は不公平なのです。自分の生活の豊かさを失っても構わない、とはちっとも思いません。それは手放せない。でも、その犠牲を見過ごしてはいけないし、犠牲を生まない様に務めること、共に生きる道を探し続けることは絶対必要です。戦争なんてしてる場合ではありません。

ホンダの三部社長、そういうこと全然考えなかったんですかね?EVが行き詰まることは容易に想像出来たと思いますが・・・ホンダの製品(特にバイク)が大好きな吉田としては、残念です!

AfD圧勝に思う終わりの始まり

 9月6日に行われた、旧東ドイツのザクセン=アンハルト州(Land Sachsen-Anhalt)の州議会選挙で、急進する極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD = Alternative fuer Deutschland)が実に44%の票を集めて圧勝しました。 ドイツ極右Af...