昨晩(9月17日)のNHK BS国際報道2026の特集、Human@globeで紹介された、涂善祥(と ぜんしょう)さんの活動に、あまりにも感激してしまったので、紹介したいです。同番組は、NHK ONEに登録されている方ならば以下のリンクから見ることも出来ます(今から1週間ぐらいの間だと思いますけど)
「またまた、吉田は中国びいきだから」と思われるかも知れません(ある程度事実)。そもそも関心ないし(これが問題だ!)という人も多い(増えている)のだと思いますけど、是非知って欲しい。私、感激のあまり涙が出てしまいました。それぐらい、大切なことだと思いました。
涂さんは音楽家。1989年に来日し、名古屋に在住の著名な中国琵琶奏者(知らなかったけど)です。日本人の奥様(やはり音楽家)とご結婚され、娘さんはオペラ歌手としてイタリアに留学中とのこと(皆さん、番組中に登場します)。なんて素敵なご家族なんでしょう。それで、こういう伝統楽器の音楽って、決してメジャーな存在ではないですけど、国際的なコンサート活動はもちろん、地域のコミュニティーで音楽を通じた交流を継続されているとのことです。何故今回上記番組で取り上げられたのかと言えば、もちろん今の冷え切った日中関係が、こうした草の根の交流にも暗い影を落としているからです。
音色で架ける日中友好の橋 世界的琵琶奏者・涂善祥(と・ぜんしょう)さん 音色で架ける日中友好の橋 世界的琵琶奏者・涂善祥(と・ぜんしょう)さん
涂さんの色々ご苦労された話とかも番組中で伝えられていますが、地域の方に暖かく迎えられ、支えられて、折れずに活動を続けてこられたんですね。インタビューのお話の内容、涂さんの語り方からもその心優しくも信念を貫こうとしていることがよく伝わりました。「会って話をすることが大切」「遠くの親戚より近くの隣人です」はその通り、それが平和への唯一の道だと全く同感です。それを実践されていることに、本当に敬意を感じます。ネットを検索していたら、涂さんは我が故郷、岐阜県多治見市でもコンサートをされているんですね。行きたかった。機会があれば是非琵琶の音色を聞きたいです。是非お会いしたい。
普通の人の文化的交流が相互理解の醸成、助け合って平和に共存するために一番大切なことだとつくづく思います。振り返ると、私も中国の学生や研究者との交流はとても盛んにやってきましたが、ここ最近ずっと冷え切っています。大変嘆かわしいですが、それを政治の問題として半ば受入れてしまっていることが恥ずかしい。どれだけ困難があろうとも、文化の先導者であるという自覚を持って、もっと取り組まなくてはと背筋が伸びる思いです。正直、科学技術関係の交流は政治利用されやすいので、今の日中関係ではとてもやりにくい(そもそも予算も付かない)のは事実です。文系でも、例えばアジア史とか政治経済は互いの認識が大きく異なるところで、相互理解はとても難しい、というかほぼアンタッチャブル。だから、音楽とか美術とか(演劇は政治的メッセージが入る危険アリ)芸術関係は良いなあ、と思います。美しいと感じるものに国境など無い。でも、今のご時世、涂さんの様な平和への取組みさえ、交流事業がキャンセルされたり、逆に政治利用されたりしかねません。大変難しいですね。
だからこそ、この涂さんの生きざまに心から拍手を送りたいですし、自分もそんな人でありたいと思った次第です。嘆いていないで、出来る限りのことをやらないと。次に中国に帰省する時は、友人のいる吉林大学とか天津師範大学に行って、ボランティアで講演しよう(政治メッセージはゼロで)。中国の学生にもどんどん日本に来て欲しい。日本の学生にも中国に行って欲しい。草の根の活動が大切です。互いの政府が何を言おうとも。

