このブログについて

国立大学法人山形大学工学部教授の吉田司のブログです。2050年までのカーボンニュートラル社会実現に向けて、色々な情報や個人的思いを発信します。発言に責任を持つためにも、立場と名前は公開しますが、山形大学の意見を代弁するものではありません。一市民、一日本国民、一地球人として自由な発言をするためにも、所在は完全に学外です。山形大学はこのブログの内容について一切その責任を負いません。

2021年12月21日火曜日

2022年が良い年でありますように!

 更新が滞っておりまして、反省、反省。泣き言だけですけど、色々他の人のための仕事が多くて(助けるのが私の仕事ですけど)、共有したいネタはあっても書く時間がありません。じっくりとはいずれ。少しだけ更新のためにコメントします。

気が早いと思われるかも知れませんが、もうすぐ2021年も終わり、2022年が始まります。2019年の終わりに始まったコロナ感染は、未だおさまらず(そうなると思ったけど)、世界には脱炭素どころではない感じで、色々な不満不安が充満していて、どんどん不安定さを増している様に感じられます。「そう?」と思われる方もあるかも知れませんけど、一番心配なのは台湾とウクライナへの軍事侵攻です。それらが起こってしまうと、今の対立がより激化して、世界の分断が進むと思うからです。そして、脱炭素の重要性など、後回しにされてしまいます。言うまでもなく、前者は中国、後者はロシアが関係します。しかし、これらの問題は、やはり当事者でないと分からないことがある。一方的な物の見方では分からないです。私自身は正しいとか正しくないとか言える立場ではない。ただ願うのは、強者の論理で弱者が苦しみ、悲しむ姿を見たくない、それだけです。だから紛争は起こって欲しくない。家族が引き離されたり、住む場所を追われたりする人が必ず出るからです。

5回シリーズで放映されたNスぺ「中国新世紀」御覧になりました?とても良い番組だったと思います。物凄く考えさせられました。で、上記のとおりで「これが正しい、これは正しくない」などの結論は到底出ません。中国が名実ともに大国になり、その影響力がかつてない程大きくなって、世界が変動していることは明らかです。それをけしからんと言う権利は誰にも無いわけで、変化は変化として受け入れ、安定と秩序、平和と幸福を維持する様にみんなが変わっていかなくてはなりません。12月19日に放映されたシリーズ最終回は、あまりにも重たい内容で、セミ当事者である私自身も、ちょっとコメント出来ません。思わず口を閉ざしてしまいます。どっち側に居る人も、弱い立場の人達が可哀そうでならない。何言ってるか分かりませんね?これ以上コメント出来ませんので、御覧になっていない方は是非再放送を見てください。番組の一部はNスぺ5minで見ることが出来ます。

[NHKスペシャル5min.] 内部から見つめた中国激動の歴史 | 中国新世紀 中国共産党 一党支配の宿命 | NHK - YouTube

[NHKスペシャル5min.] 中華イノベーションをけん引する若き起業家たち | 中国新世紀 第3回 実験都市 深圳~メイド イン チャイナの行方~ | NHK - YouTube

第三回の深圳の話は、与えられた境遇の中で必死に頑張る人々の姿がレポートされていて、中国の人達も本当に頑張っているのだということが良く分かります。のんきな日本人は学び、反省すべきところが多いのではないかと思います。比較的クリーンな回でした。その他のヤツは、5 minのダイジェストも出ていませんけど、内容が中国に批判的過ぎるからかな?

そして一方のウクライナ問題。これも、まさか!と思う様な事態が起こりつつあるのです。

ロシア、再びウクライナ侵攻か?…プーチン大統領の狙いは【12月16日(木) #報道1930 】 - YouTube

この時代に、本気で戦争なんてやるの?と思っちゃいますよね。この番組では、もちろん日本の安全を最優先に考える視点から意見交換されてはいます。しかし、ロシアの立場、ロシアから見た地域の問題も語られています。やはり一方的なものの見方では一方が正義、他方が悪の様になってしまいますけど、それは正しくない。とにかく、どうすることも出来ない弱者が苦しめられることが起こって欲しくない、ただひたすらにそれを願います。

実は、予てから交流のあるウクライナの研究者、Oleg Dimitriev先生が学振の招へいプログラムに採択されました。何しろこのコロナ感染の状況のため、果たしていつ山形大学に来られるのか分かりませんが、早速その準備にも取り掛かろうとしているところです。そうした交流が、少しでも世界の安定と友好に貢献することを願い、努力致します。2022年に決して悪いことが起こりませんように!


2021年12月8日水曜日

太平洋戦争開戦から80年

 1941年12月8日、大日本帝国連合艦隊はハワイ真珠湾の米軍基地に奇襲攻撃を仕掛け、軍人民間人約310万人の日本人の死者を生み、1945年8月15日に無条件降伏することになる太平洋戦争が始まりました。それから80年、日本は壊滅状態から立ち直り、繁栄を極めて現在に至ります。しかし、今の世界を見ると、再びあのような悲劇が起こることは無いであろう、と確信できる様には残念ながらなっていません。

開戦80年の節目に、多数の特番が放送されます。知らないことは良いことだとは思いません。是非若い人には特に見て欲しいと思います。圧倒的な工業生産力の差や資源の差ゆえに、アメリカと戦えば必ず負けると主張した人たちが沢山居たにも関わらず、あの戦争を回避することは出来ませんでした。そこには、自分の都合やメンツで「負けるから…」とは言えなかった人たちの存在があり、窮地に追い込まれた日本を開放するために、遂に日本が立ち上がったことを熱狂的に歓迎した民衆がありました。「たら…、れば…」は繰り返し語られますが、起こってしまった大戦において、日本が敗戦国となったことは、決して悪いことだとは思いません。戦勝国になったら、もっと大変なことになっていたことでしょう。しかし、何よりあまりにも多くの犠牲を生んだ戦争自体を憎み、それを回避出来なかった愚かさを祟るしかありません。

その記憶が薄れ、世界が再び対決の構図を形成しつつあることがとても心配です。あれほど酷いことは一度で十分です。是非この節目に自らの歴史を振り返り、反省の気持ちを新たにすべきと思います。そして、その国際平和こそが、気候変動に対する戦いに最も大切な資源なのです。

2021年12月5日日曜日

山大生諸君、知ってるかい?

 「ダッコちゃん」「リカちゃん」「人生ゲーム」「チョロQ」「トランスフォーマー」言わずも知れたおもちゃの大ヒット商品、これを生み出したのはタカラ(現在はタカラトミー)ですが、その創業者の佐藤安太さんは、米沢工業専門学校のご出身、すなわち現在の山形大学工学部の出身です。佐藤さんは、残念ながら2019年にお亡くなりになりましたが、2010年には博士課程ものづくり技術経営学専攻を修了され、博士号を授与されています。山形大学工学部の客員教授でもあられたのですね。それを知らなかった私が恥ずかしいです。

「リカちゃん人形」を生んで“累計6千万体”売った男…ストーリーとしての販売戦略 (biz-journal.jp)

また、私が学生の頃、村上春樹氏と人気を二分する人気作家だった吉本ばななさんの父親で詩人の吉本隆明さんも、米沢高等工業学校(現山形大工学部)のご出身です。

吉本隆明略年譜(石関善治郎作成) (bindsite.jp)

ご存知の方からは「そんなことも知らないのか!?」とお叱りを受けそうですが、うちの研究室の学生に話したら全く知らなかったので、ここに書いたところです。吉本ばななさんは、私本を読んだことないので、ここでは語れませんが、タカラのおもちゃは沢山遊びましたねえ。特に私の場合は「人生ゲーム」です。家族で、晩御飯のあと遊んだのを覚えていますが、父親はあまり付き合ってくれなかったなあ。

詳しくは、上記リンクから経歴をご覧になってください。私が浅はかな知識で間違ったことを書いても良くありません。実はこれらの方々に行き着いたのは、山形大学学生の戦時協力(強制ですけど)はあったのだろうか、と思って調べ始めたからです。実に、この佐藤さん、吉本さんのご両名とも、学徒動員で労働にかり出されています。戦場に送られることはなく、無事生き延びて戦後にそれぞれの道を歩まれたわけですが、特に佐藤さんは、高分子化学の知識をさらに発展させ、ビニール製のおもちゃの開発を進められたわけです。

学徒動員というのは、学生が軍の装備品の生産などにかり出されたことですが、一方学徒出陣というのは、全く訓練されていない学生が戦場に送られた悲惨な出来事です。ちゃんとした記録が無くて、闇に葬られているケースも多いようです。しかし、なんと山形大学の学生が学徒出陣で戦場送りになっているのです!米沢ではなくて、山形の旧制山形高等学校(現在の山形大学)の学徒26名が出陣した資料が顔写真や名前付きで見つかりました。これについては、2018年の山形大学プレスリリースに資料があります。

press20180802.pdf (yamagata-u.ac.jp)

実際に出陣した人は、40名にのぼるようです。そして、その後どうなったのかは分かりませんが、大変な目に遭われたことは想像に難くありません。

いやー重たい。自分が今その学校の先生をしているわけで、やはり、なんですけど、時代が時代だったら自分の教え子を戦場に送るなんていう酷いことが起こっていたわけですよね。もうそんなことが二度と起こらないことを心から願うばかりですが、あの戦争から80年が経とうとしている中で、その悲惨さ、どうあっても正当化すべきではない過ちであったという認識はだんだんと消えつつあるように思います。今一度、平和が全ての基礎であることを認識し、より困難な気候変動との闘いをしていかなくてはならないと思います。

2021年12月2日木曜日

カーボンニュートラルオンライン講座収録進行中!

 先日もお伝えした、山形県委託のカーボンニュートラルオンライン講座。本日は近藤道雄先生担当の第三回目の収録がYTS山形テレビで行われました。

左から聞き手のYTSアナウンサー、熊谷瞳さん(いつもお美しい!)、真ん中が講師をお勤め頂いた産総研の近藤道雄先生、そして私ですが、私は出演しているわけではございません。毎回、収録のお供をさせて頂いております。しかし、当然といえば当然ですけど、近藤先生はお話がとても分かりやすく、上手なので、調整役の私は全く必要ありませんでした。雑談のパートナーをしただけですかね。
今回のテーマは「カーボンニュートラルに向けた国、県等の施策」で近藤先生からは、第6次エネルギー基本計画、産総研FREAやGZRの紹介、日本がリーダーシップをとる国際連携についてお話頂いています。後半は山形大学の栗山先生から山形県の施策についてお話頂きます(後日収録)。完成版は近日中にアップされると思いますので、是非お楽しみに!
吉田担当の第一回目とKarolin先生担当の第二回目は、山形県公式チャンネル「やまがたChannel」に掲載済みです。まだ御覧頂いていない方は是非ご覧ください!



2021年12月1日水曜日

秋篠宮さま、気候変動を憂う

 WWFジャパンの名誉総裁も務められている秋篠宮さまが、11月25日の記者会見で、今年一番印象に残った出来事として、世界の気候変動についてお言葉を述べられました。

秋篠宮さま、世界で深刻な「気候変動問題」に思いを馳せる。一年で「特に印象に残ったこと」に挙げる | ハフポスト (huffingtonpost.jp)

短いコメントですけど、世界で起こる出来事を良く見ておられるのだな、と思います。日本はどうあるべきだと思う、とか政治的な発言は出来ないお立場ではあるのですけど、こういう語り掛けは是非して頂きたいと思います。国民主権なわけですから、いざ大変なことが起こってから「どうして宮様はあの時止めてくれなかったんですか!」と泣きつくわけにはいきません。この語り掛けに対して、気候変動に対する認識をすること、そして自分たちがどうあるべきかを考えて行動すること、これが大切ですよね。でも、日本のスポーツ選手の活躍とか、そういうことだけじゃなくて、こうしたグローバルな問題に対しても言及されることは、皇室のあるべき姿だと思います。

秋篠宮さまといえば、例のことで散々マスコミの標的にされていましたね。この記者会見も、実は全体のほとんどがその話です(宮内庁はちゃんと発表するんですね)。宮様を人間と思うか、特別な存在であって普通の人権が当てはまらないと考えるかで意見は分かれると思いますが、私はやっぱり前者だと思いますよ。うちの子はまだ結婚には程遠い年齢ですけど、愛する娘に対する父親の気持ちとしたら、ただただ「そっとしておいてほしい」と思うんじゃないかなと思います。最近の一連の出来事には、ちょっと心が痛みます。私は、立派にお勤めを果たされていると思いますよ。

125

 「125」この数字が意味するのは何でしょう?はい、私はオートバイが大好きで、特に手に余らず、使い切れるパワーで軽量な125ccクラスのバイクが好きです。高速道路は乗れないけど、バイクで高速道路走っても、ちっとも面白くないし、二人乗りだって出来るし、燃費良くて維持費安いし。今ウチ...