このブログについて

国立大学法人山形大学工学部教授の吉田司のブログです。2050年までのカーボンニュートラル社会実現に向けて、色々な情報や個人的思いを発信します。発言に責任を持つためにも、立場と名前は公開しますが、山形大学の意見を代弁するものではありません。一市民、一日本国民、一地球人として自由な発言をするためにも、所在は完全に学外です。山形大学はこのブログの内容について一切その責任を負いません。

2021年10月30日土曜日

山形県カーボンニュートラルオンライン講座

 皆さん!山形県のカーボンニュートラルオンライン講座(全7回予定のYouTubeプログラム)が始まりました!

【県公式】やまがたChannel - YouTube

是非ご覧ください!

2021年10月29日金曜日

COP26今週末から

 今週末、10月31日から英国のグラスゴーで気候変動に関する国連会議、COP26が開催されます。バイデン米大統領や岸田首相が出席する、冒頭のリーダーズサミットには、中国の習近平国家主席やロシアのプーチン大統領は欠席だそうで、世界第一位と第四位の温室効果ガス排出国が欠席ということですね。今週末は衆議院選挙でもありますが、万一政権交代したらどうなるんでしょう?

【詳しく】地球温暖化を食い止められるか COP26の注目点は? | COP26 | NHKニュース

上記レポートで一番気になったのは、「国連の発表では「パリ協定」に従って各国がこれまでに国連に提出している目標を分析したところ、今の削減のペースでは、2030年には排出量は半減するどころか、2010年に比べ16%の増加が見込まれている」というハナシです。気候変動との闘いに勝者も敗者もなく、全員が勝者になるためには皆がかなり前に踏み出した目標を掲げ実行しなくてはならないわけですけど、お互いの顔色を伺いつつ、自分のところが損をしない様に目標の宣言について各国が牽制し合っています。現状の目標を達成出来たとしても、減少どころか増加というのは、かなりショッキングですね。なので、議長国イギリスとしては、自国が極めて高い目標を示すことで、他の国々からの一層の努力を引き出したいという思惑でしょう。

世界一の排出国である中国は、COP26を見据えて「去年のGDP=国内総生産当たりの二酸化炭素の排出量が2005年と比べて48.4%削減され、これまでに示していた削減目標を達成した」と中国が責任を果たしていることをアピールしたようです。

中国 “二酸化炭素排出量 削減目標を達成” COP26前にアピール | 中国 | NHKニュース

そう、そんなに減らしているの?と思ってはなりません。「GDPあたりの排出量を48.4%削減・・・」と言っているだけで、総排出量はしっかり増えています。GDPが物凄く増えていますからね。中国はまず経済成長優先、しかし生産量あたりのGHG排出は減らしますよ、というのが予てからの主張です。全体量としては、「2030年までに減少に転じる」「2060年までにカーボンニュートラルを達成」という従来からの目標を変えない方針であり、すなわち2030年まではいくらでも増やしますよ、というのですからかなり困ったものです。

気候変化による災難は世界中に及びます。短期的に優位であることなど、全く取るに足らないことですから、世界のリーダーは是非協力し、より強い取組みに同意してもらいたいものですが、議論は相当難航するであろうことが予想されます。皆さんも来週以降の報道に是非ご注目ください。

NHKがCOP26関係と、気候変動への取組みに対する特設サイトを公開しています。色々な情報がありますから、是非ご覧ください。

COP26 脱炭素社会の行方|NHK NEWS WEB

2021年10月26日火曜日

年収が上がらない日本

 ちょっと前にとても気になるニュースがありました。そのニュースページが見つかったので、共有したいと思います。

“年収” なぜ上がらない?専門家に聞きました | おはよう日本 | NHKニュース

日本は仕事に対する賃金が上がっていない、とは聞いていたものの、これほどまでとは思いませんでした。私が学生をしていた頃、1990年から現在までの30年で、日本人の年収は全く上がっていないのです。逆に若干低下しています。驚きなのは、決して好景気に沸いていたとは思えないドイツで2倍、アメリカやイギリスでは2.5倍にも収入が増えているのです。この間物価も上昇しているものの、2倍程にはなっていませんから、これらの国の人々は豊かになったことを実感出来ていることでしょう。中国だともっとすさまじい収入の増加(と物価の上昇)があったに違いありません。こんな状況では、人々が将来への希望や働く意欲を持てなくなるのも当然です。

企業の内部留保の問題もあるとは思いますが、この低成長の時代において日本では賃上げよりも雇用の安定が優先されているから、というのはその通りだろうと思います。それでも仕事を失う憂き目に遭う人は沢山いらっしゃるのだとは思いますが、日本は解雇されにくい国であることは確かでしょう。しかし、誰かじゃないけど、You are fired!とアメリカで誰かが解雇されたとしても、そこで人生が終わっているわけではなくて、また仕事を見つけて別の形で社会経済活動に戻っているに違いありません。時には、そのために新しいスキルを身に着けるトレーニングを受けて、より時代の要請に会った仕事へと変わっていくことでしょう。過度に雇用を守れば、新しい世代にとっては就職への壁ともなりかねませんし、既に仕事に就いている人は新しいことへのチャレンジをする意欲を削がれてしまいます。収入が増えるわけではないのに、どうしてリスクを負わなくてはならないでしょうか?「日本も収入で応える仕組みに変えていくべき」とレポートの中でも指摘されています。そうでないと、海外から優秀な人材を呼び込むことも出来ないでしょうから、未だ経済成長をもって成長とする世界基準に合わせるならば、その通りではあります。日本のこの状況では、高くても欲しいと思わせる様な高付加価値製品を生み出す力は大きく弱められてしまいます。

しかし、それでもなお、金が増えることが成長発展である、という考え方そのものに疑問符を付けるべき時に来ている様にも思います。レポート中に紹介されている寄せられた声を見ても、人々の間に不安と不満が満ち溢れているのは明らかです。これまでの社会的通念からすれば、賃金がどうやっても増えない状況の中で自身の成長を実感したり、未来を展望することが出来ないというのは全く当然ですね。でも、もはや絶対的な成長の余地は無くなりつつあり、仮に(経済)成長があるとすれば、それは弱者からの搾取や弱者に犠牲を押し付けることによってしか成り立たなくなり、世界はより不安定化、二極化していくことになります。

今週末は衆議院選挙です。岸田首相は「成長と分配の好循環」を繰り返し唱えていますが、野党が指摘する「これまで言っていたことと何も変わらない。分配など無かった。」というのもまた事実です。果たして日本が、そしてその国に生きる未来の世代がとるべき選択は、どうあるべきなのでしょうか?経済成長せずとも、不安が無く、一人一人が発展的人生を実感できる社会というのは実現出来ないものなのでしょうか?学生の皆さんは、必ず選挙に行って下さいね。

2021年10月13日水曜日

EVシフトを考える⑱

 久々に、このテーマです。私事で恐縮ですが、実は最近新しいクルマを買いました。実際にはそれを購入することを決断したのは今年の2月のことでしたので、半年以上待たされました。コロナの影響もあって、生産が遅れたんですね。納車後1か月で既に4000キロ以上を走り、慣れたところです。で、その選択が物議をかもしていまして、果たしてカーボンニュートラルを語る人物がそんなもの使って良いのか?というお叱りに対して、反論したくもあり、そのネタで少し書きたいと思いました。

果たしてその選択は?実は自動車ではなくて、分類でいうとトラックです。ピックアップトラックと言われる、普通のクルマみたいにエンジンフードがあって、5人乗れるキャビンがあって、その後ろに荷台があります。もちろんEVではないですし、ハイブリッドさえありません。ここからが問題なんですけど、「エコカー」の一種に区分されることもある、ディーゼルエンジンの車両です。実は、長い車歴の中で、初めてのピックアップトラック、初めてのディーゼルでした。燃費低減策としてはアイドリングストップがある程度、DPFも尿素洗浄もあるので、排ガスはクリーンです。2.4Lですけど力持ちで、重たい車両をちゃんと走らせます。ここまで説明したら、知っている人はどのメーカーのどの車種かもう分かりますよね?

で、なぜそれか。実はその前に乗っていたのは、フィアットパンダというクルマでした。4輪駆動で、雪にはめっぽう強く、とても小さいのに実用的で乗り心地も良く、大好きだったんですけど、たった5年にして、あり得ない様な故障が発生し、その信頼性の低さに手放しました。エンジンはたった0.9 Lの2気筒ターボで、燃費はだいたい16-18 km/Lぐらいは走っていましたから、経済的でした。ただし燃料は高価なハイオクガソリンです。それで、そのクルマを予定外に手放すことになり、しばらくは自動車無し生活をしておりました。まあ、嫁さんのクルマがあるのと、いざとなったら使えなくもないキャンピングカーがあるので(巨大で燃費悪いので、旅行以外は基本的に使いません)何とかならなくはなかったのですけど、雨の日にちょっとそこまでにも足が無く、やはり不便極まりなかったです。ただ、トンデモナイ高性能車まで過去には乗り、軽トラックにも乗り、結局ミニマリズムに行き着いて喜んでいたパンダがあんなことになりました(華奢なクルマはもう嫌!)。さらには、世の中ではEVシフトが叫ばれ、カーボンニュートラルへの変革ははっきり不可避なものになる中で、今、どういう選択をするべきなのか、についてはなかなか結論が出ませんでした。自動車の無いライフスタイルというのも、考えられなくはないのでしょう。ただ、年間に凄い距離を走る「移動バカ」である私にとっては、移動の自由がいつでもあることは、やはり必須でした(そういう意味では、確かに私は悪者です)。一方で、どう考えても、今選ぶべきがEVとは思えませんでした。やれパワーがどうの、とか、自分でギア変えるマニュアルじゃなくちゃ、は、だんだんどうでも良くなりました。一方で、頑丈で長持ちすること(使い減りしないこと)、トラブルを起こさないこと、いつでも頼りになること、はとても大切と思いました。ここ米沢の冬はいつも豪雪。当然四輪駆動でないと安心出来ません。それから、確かに一人で乗る時には無用にデカいのですけど、子供がどんどん大きくなり、活動範囲が広がる中で、家族を安心して乗せられること、荷物が沢山積めること、特に魚釣りとかスキーに行く時にはオープンデッキが便利、ということで、上記選択となったわけです。

で、私のケチ臭い運転のお陰もあると思うのですけど、全く期待以上の燃費の良さで、この4000キロの平均燃費が14 km/Lを超えています。これはメーカーの公表しているカタログ値を大きく上回ります。最高では15.7 km/Lを記録しました(ちょっとエラー入ってると思います)。ご存知のとおり、軽油はハイオクガソリンよりもリッター当たり30円くらい安いので、燃料代はパンダよりも少なくて済みます。利便性も期待以上で、アウトドア用品の積み下ろしは物凄く楽です。雨で濡れるのが問題ですけど、何とかなるものです。ということで、メデタシメデタシ、で終わったら単なる自慢話になってしまいます。ここからが本題。

燃費が良くて、軽油が安いからディーゼルは経済的なのはともかく、本当にエコか?というのが問題。とある自動車狂が「ディーゼルはリッターあたりでガソリンよりもずっと多くCO2出すんだぞ!そんなの買うんじゃない!」と言うわけです。本当でしょうか?「ずっと多く」は考え方次第ですが、実際リッター当たり10%ぐらい余分にCO2を出します。

資料4 燃料別の二酸化炭素排出量の例 (env.go.jp)

ところが、熱量当たりだとガソリンと軽油ではほとんど同じ、それから重量kg当たりのCO2排出量もほとんど同じになります。実は「軽油」なのに、ガソリンよりも重いのです。要するに、エネルギー密度の高い燃料なんですね。厳密に言うと、炭素と水素の比で、軽油はガソリンよりも若干炭素比率が高いので、熱量に対するCO2排出もほんの少し多いのですが、それは無視できるレベル。日本で軽油がガソリンよりも安いのは、税率の違いだけなので、軽油の方がガソリンよりも粗悪品なわけではありません。ただ、いわゆるプレミアムガソリンが高価なのは生産コストの問題と思われます(添加剤が入っている)。ということは、LCA的にも環境負荷がレギュラーガソリンよりも高いことになりますよね(誰かご存知ですか?)。

じゃどうしてディーゼルがエコカーと見なされるのか?これは単に効率が良いからですね。圧縮すると自着火する軽油は完全燃焼させやすいです。ガソリンはスパークプラグで点火する必要があり、HC(燃え残りの炭化水素)が出やすいです。なので、ガソリン自着火を目指したマツダのSkyactiv-Xが登場したわけです(以前このネタ書きましたよね)。比重の違いを考えると、容量当たりのCO2排出量を比較するのは適切とは言えません。資源量という点でも、重量当たりで考えるべきでしょう。そうすると、ガソリンと軽油の間には差はナシ。一方で、特に重量級の車両については、ディーゼルエンジンの燃費の良さは圧倒的です。実は、上記キャンピングカーはレギュラーガソリンの2.7Lの自然吸気エンジンです。重い車重に対して動力性能はギリギリ。燃費も頑張っても8.5 km/Lが限界です。あの大きさにしては燃費は悪いとは言えませんが、やはり大きく劣っていると言わざるを得ません(km/kgに換算しても、ディーゼルとの対比ではガソリン車の燃費を1割増しに見る程度ですから、絶対逆転しません。一般的に同クラスの車両でディーゼル車の燃費はガソリン車の二割以上高く、私の場合はほぼ倍でした、車両の大きさ若干違いますけど。)。お財布に対する負担の違いは圧倒的です。上記のとおりで、今回購入したトラックが、その巨体に似合わず小食なのは、ディーゼルエンジンのお陰と考えて間違いありません。トランスミッションの出来も良いため、内燃エンジンでやれる可能な限りの高い効率を達成していることは明らかです。

ならば、対EVではどうなのか?それについては、面白い比較記事がありました。

ディーゼル、 EV、ガソリン 本当にエコなのはどれだ!!! これで決着!!?? - 自動車情報誌「ベストカー」 (bestcarweb.jp)

これ、ディーゼル押しをしているマツダがやったスタディーなので、ちょっと公平なのかどうか怪しいところはあります。ただ、EVが全く優位ではないことは間違いないと思います。特に走行距離が少ないことが多い日本の使用環境では、EVは余計に不利になるでしょう。バッテリーの生産に伴うCO2排出量は技術革新とそれに用いる電力のクリーン化によって大きく改善するでしょうし、一番重要な電源のクリーン化によっては、EVの成績はずっと良くなる可能性はあります。ただ、現状で見ると、例えば石炭依存の高いオーストラリアでは、何十万キロ走ってもEVが優位になることはない、ということでした。日本も、一般的な買い替えまでの走行距離(13万キロ)の最後に逆転出来るかどうか、のレベルです。現時点においては、全くEVの優位性は無いというのが事実なのです。

さらに悪いのは、EVのバッテリー大型化と急速充電への欲求です。航続距離を伸ばし、充電にかかる手間を減らす。もちろんユーザーサイドからすれば当然の要求と思えます。しかし、充電している時の携帯電話は熱いですよね?当然電気にも損失があって、急ぐ程損失は大きくなり、バッテリーの寿命も縮みます。無用に大きいバッテリーを生産すれば、それに伴うCO2排出も大きくなります。だから、以前から主張する様に、EVは短距離移動のマイクロEVが良いのです。私の様な移動バカに対しては、ガソリンのハイブリッドか、ディーゼルか、が今日での現実的な選択となります。そして、ディーゼルの効率の良さは、オーナーとなり、実際に使用して実感しております。

ただ、それだからCO2を沢山出す内燃エンジンを使い続けて良いということではありません。EVの進化、電源のクリーン化は当然重要です。そして、やはり究極は水素燃料電池。これについては、燃料電池そのものの脱貴金属、低価格化に加え、どこでも太陽光由来のグリーン水素を買える様になることが必要ですね。それにはまだ10年でも足らないです。それぐらい難しい課題です。そうすると、今のトラックを捨てずにずっと使い続けることが、ひとまず最良と思えます。水素トラックもグリーン水素も買える様になった時に、自分がまだ自動車で飛び回る元気があれば、その時は買いますよ。ただ、その時代を迎える前に免許返納するかな?でも、私の次のクルマはもうどうでも良いんです(出来ればもう買いたくない)。ただ願うのは、そうして自動車を使って移動することの喜び、子供と一緒に釣りに行ったり、キャンプに行ったりする喜びを未来の世代も楽しんでいて欲しいということです(運転に没頭するなら、やっぱりバイクが良いぞ~!)。そのためには、それを持続可能な手段に置き換えることが絶対に必要ですよね。悪い大人ですいません。まだ石油燃やしてます。

2021年10月11日月曜日

NTTが推進するIOWNとは何?

 ちょっと前にニュースになっていて、気になっていました。NTTは政府の目標である2050年よりも10年前倒しで、2040年にNTTグループとしてカーボンニュートラルを達成すると宣言したのです。

NTT 光技術で2040年度までに温室効果ガス排出量 実質ゼロ目標 | 環境 | NHKニュース

NTTがグリーン燃料を創出する事業に進出するのかと言えば、そういうことではなさそうです。IOWN(アイオンと読んで欲しいみたいです)と名付けられた新しい光通信技術の導入を進めることで、ネットワークが消費するエネルギーを大幅に削減することが出来るというものです。確かに、先日取り上げたように、情報ネットワークが消費する電力は莫大なものになっているようです。

カーボンニュートラル2050: ICTで気候変動は加速する? (carbonneutral2050.blogspot.com)

今のところ、電線の中を流れる電気信号が情報伝達を行っていて、特に長距離だとその損失はとても大きくなりますから、これを光に変えると損失が低減されるということでしょう。しかし、無線通信はどうするの?詳しくは分かりませんが、NTTはこのIOWNコンセプト(インテル、SONYとの共同)を解説する詳しい情報ページを公開しています。

IOWN|NTT R&D Website (rd.ntt)

端末の直前まで全部光で通信するということのようですが、パワーは?出来れば送電線も無くして、光でエネルギーを供給して、端末側で光から電気に変換できないですかね?それも視野には入っているみたいで、エネルギーのことについてはこのページに解説があります。

IOWNが変える社会インフラ MaaSとエネルギーの革新|NTT R&D Website (rd.ntt)

MaaS (Mobility as a Service)とかってのは、普通は情報伝達の部分だけのハナシだとは思いますが、出来ることならば車両側にバッテリーなどエネルギー貯蔵の必要を無くして、光なのか、電磁波なのか(やっぱり損失が問題になってしまうけど)でエネルギーを常時供給して動ける様になったらいいんですけどね。実際、電車はそうでしょ。電線ですけど、バッテリーは積んでいない。蒸気機関車は石炭を積み、ディーゼル車両は軽油を積んでいて、それで航続可能距離が制限されますが、電車は電気が来る限り走り続けられます。

それでもなお、エネルギーの使用効率を上げて、使用量を減らすだけではゼロカーボンにはなりませんよねえ。生み出すところは他から買ってくるというだけじゃなくて、是非そこもお願いします!


2021年10月9日土曜日

連合初の女性会長に芳野氏

 更新をサボっているわけではないのですけど、色々あって追い付かず・・・。この間にも色々ありました。カーボンニュートラルにどう関係するの?と思われるかも知れませんが、私は大ありではないかと期待する出来事の一つがこれ。

連合 新会長に芳野友子氏を選出 女性の会長就任は初めて | NHKニュース

連合(日本労働組合総連合会)の新しい会長に、副会長だった芳野友子氏が選出されました。初の女性会長です。インタビューで「本当はもっと働き続けたいんだけど・・・」という女性の声に応えようと頑張ってきたことを語られていました。まさに、ダイバーシティー、多様性、SDGs、これなくして持続可能な発展もカーボンニュートラルもあったものではありません。これからの活躍に大いに期待しております。

女性首相は今回なりませんでしたが、いずれは二人に一人は女性という時代が来ることを願っています。出来れば、長の職に就く方は、少なくとも60歳以下、出来れば50歳以下であって欲しい。要するに、構成員の分布を考えた時に、丁度真ん中に居る世代(+ちょっとだけ上方シフト)ということです。で、岸田首相はその所信表明において、「成長と分配の両立」の新資本主義を唱えています。まさに、この点では連合が意図する労働者と大切にする社会という考え方と重なるだろうと思います。男女関係なく、世代を越えて、さらには人種も問わず、全ての構成員が腐らずに目いっぱい頑張りたくなる様な社会を目指して欲しいと思います。管理が過ぎると、頑張る気持ちが削がれるので、成功の報酬はキチンと与えられる仕組みは必要ですよね。しかし、一方で格差を無制限に拡大したり、その格差が支配関係に発展すれば、資本主義の闇の部分が拡大します。優しさと思いやりに溢れ、尚且つ一人一人が頑張りたくなる、そんな社会を実現して欲しいものです。

であるならば、きっとカーボンニュートラルという全員に関わる重大問題にも一致協力して取組めるのではないでしょうか。

2021年10月5日火曜日

ノーベル物理学賞 気候変動研究の真鍋淑郎氏が受賞!

 今年のノーベル物理学賞をプリンストン大学の真鍋淑郎さんが受賞されました。

ノーベル物理学賞に真鍋淑郎氏 研究者「とんでもなくすごい」 | ノーベル賞2021 | NHKニュース

ノーベル賞2021 NHK特設サイト

私は分野違いで、その偉業を知っていたわけではないので、何かを語れる立場にはありませんが、現在に至る気候変動の数値モデル化に初めて取組んだ先生だそうです(その世界では知らない人がいないというぐらい有名な先生)。YUCaN研究センターでも多大なご協力を頂いているJAMSTECのフェローも務められていて、山形俊男先生も良くご存知のハズです。全く僭越ではございますが、私からもお祝いさせて頂きたいと思います。おめでとうございます!とんでもなく遠い世界の出来事ですけど、ちょっとだけでもご縁が出来たことを大変嬉しく思います。

詳しくは(というほど詳しいわけでも無いでしょうけど)上記のニュースリンクをご覧ください。これまで、ノーベル物理学賞は、素粒子とか純粋物理の研究が受賞することが多かったと思いますが、気候変動モデルが受賞というのは今の状況を反映してのことと思います。それぐらい、身近な問題として認識されるようになり、これに対峙する研究の重大性が認められたということでしょう。当然ですね。

真鍋先生の研究は、今にも至る気候研究の礎となっているそうです。素晴らしいですね。その研究を始めたのは私がまだ小学生にもなっていない1960年代とのこと。当時はまだ気候変動に対する危機感など全く無かったことでしょう。そこに先見の明があったというか、流行りを追いかけるのではなくて、独自の着眼点と発想で研究されたことが、この受賞に至ったわけです。お金がとれるからとか論文出やすいからとかで流行りの研究をやってはいけません。もう強い人がいるのなら、そこに群がるんじゃなくて、任せたらいいじゃないですか。自分も給料もらって、税金使って研究させてもらうなら、自分ならではの研究に挑戦すべきでしょう。何が将来役に立つのかなど、到底分かりません。それは決して無責任ということじゃなくて、自分なりに一生懸命考えて、学んできたことをしっかり書き残すということだと思います。是非我々も、そして自然科学を志す若い世代の研究者も、これを見習うべきでしょう。

カーボンニュートラル社会への挑戦、これでさらに勢いづきますよ!

125

 「125」この数字が意味するのは何でしょう?はい、私はオートバイが大好きで、特に手に余らず、使い切れるパワーで軽量な125ccクラスのバイクが好きです。高速道路は乗れないけど、バイクで高速道路走っても、ちっとも面白くないし、二人乗りだって出来るし、燃費良くて維持費安いし。今ウチ...