この日が来るのをどれ程心待ちにしていたことでしょう。友人であり、共同研究者のオレグ・ディミトリエフさん(ウクライナ国立学士院半導体物理研究所)が12月1日ついに来日しました。写真は成田空港で出迎えた直後のものです。会う時まではどこか半信半疑だったのですけど、彼の姿を見て熱いものがこみ上げてきて、思わず泣いてしまいました。嬉しかった、ただただ嬉しかったです。彼の笑顔を見て。
ウクライナの人たちとの共同研究は、学振の二国間交流事業で2018年から本格始動し、途中コロナのための延期もあって2022年3月末まで継続されました。その後の研究継続発展のために、学振の研究者長期招へい事業に応募採択され、今年6月1日から山形大学で研究を開始する予定になっていたのです。今年1月にオンラインで先方グループとミーティングをしていた時に「なんか、ロシア軍が国境に結集しているみたいだけど、大丈夫?」「いや、単なる脅しでしょう」なんて言っていたところに2月24日、本当に軍事侵攻が始まり、無期延期となってしまいました。戒厳令が敷かれ、18歳から60歳までの男子は出国禁止、日本大使館も業務停止、ですから。
その後、早期に停戦されること、彼が来日出来ることを祈りつつ、YUCaN学生部会によるウクライナの研究者と学生とのオンラインセミナーなども行いました。山形県、米沢市、山形大学に協力をお願いするも、役所らしい杓子定規な断りに直面し、憤懣やるかたない思いでした。システムとしてはダメ、でも個人では違うんですよね。特に山形大学の若手の事務職員のT氏は、学振とのやり取りなど、通常業務で多忙を極める中で迅速に対応して頂いて、本当に嬉しかったです。もちろん、県も市も、担当者としては○○の事情はあっても、個人としてはこの状況に対して熱い支援を頂きました。本当に、皆さんの支援無くしてオレグさんの来日は実現出来なかったと思います。ありがとうございます。ありがとうございます。日本の仲間に訴えたい。これは、絶対に正しいことですよ。傍観者になってはいけない。ウクライナ人だけではありません。ロシア人も。無意味な死を遂げる人がもう生じないように、私たちに何が出来るのか、何でも良いです。どうか忘れないでください。あなたがそうであるように、彼らも、彼女らも、同じように平和と幸せを求めているんです。理屈じゃないです、心で仕事しましょう。信念で仕事しましょう。平和が続くことの尊さ、子供たちが幸せであることの大切さを決して忘れないように。
まだインターネットも使えない、キッチンも使えないので、今週末はずっと彼と一緒にいます。日本に早く慣れてもらって、良い研究が出来る様に環境を整えていきたいと思います。とにかく、一刻も早く皆さんにオレグさんの存在を知って欲しく、彼が山形の地にやってきたことを知って欲しく、速報としてこのブログでも紹介させてもらいました。でも、それでは届かないので、NHKにレポートをお願いしました。フライングで情報を敢えてリークする私に「大丈夫ですかあ?」と気遣ってくれて、Nさんありがとうございます。
ウクライナ人研究者 山形大受け入れ 光エネルギーの共同研究|NHK 山形県のニュース
是非オレグさんに、そしてこれからやってくるウクライナの人たちに、温かい支援をお願いします。そして、このバカげた戦争を一刻も早く終わらせる様に、政府に働きかけましょう。私たちのお金を使ってアマゾンで防衛ミサイルを物色する馬鹿なことはすぐやめて、モスクワに行くべきです。北京にも行ってください。それが出来ないリーダーなど、リーダーと思えません。アントニオ猪木さんが生きていたら、きっと行ってくれたでしょう。「元気ですかー!ダァー!」
多くのウクライナの友人は、まだウクライナにいます。幾人かは国外に脱出したようです。これからも、全力で取り組みます。皆さんの応援が力になります。一人でも多くの人たちが戦火を逃れることが出来ますように。
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