報道されているとおり、ついにロシアによるウクライナへの軍事進攻が始まってしまいました。首都キエフでも戦闘が繰り広げられているようです。報道されているとおり、ロシアの狙いは現政権の転覆(ゼレンスキー大統領他閣僚を殺しても構わないと思っているでしょう)、親ロシアの傀儡政権の樹立、その新政府の要請により、治安維持を名目としたロシア軍のウクライナ国内への駐留でしょう。プーチン大統領の言葉を借りれば「ウクライナを占領する意図はない」のでしょうけど、これを実効支配と言うのであって、ウクライナの将来をウクライナ人が決められない状況になった時点で、彼らの祖国は消滅したも同様です。ひどい・・・。
私の友人、Dimitriev先生からしばらくメールの返信が無く、大変心配していましたが、ついさっき連絡があり、ひとまずほっとしました。しかし、戦闘がどんどん激しくなっているようです。無事でいてくれることを祈るばかりです。可能ならば今すぐ日本に来て欲しい。
このロシアの蛮行に対して、EUや米国、そしてそれに同調する形で日本も、ロシアに対する厳しい経済制裁に乗り出すようです。国連もロシアを激しく非難しています。しかし、それがプーチン大統領にとって想定済みのことであるのは明らかです。多少困るかも知れませんけど、どの様な制裁があり、どういう影響を与えるかも周到に計算済みだと思いますので、全く驚き、焦ってはいないでしょう。すなわち、軍事侵攻は止まりません。岸田首相の言う「G7をはじめとする国際社会と連携し・・・」という中の、国際社会とは何なのか?といつも思います。G7はまあ、分かるのですけど、国際社会とは具体的に存在するのでしょうか?米国に追従して、自分に見えている範囲内だけの正義感を振りかざして「プーチン、お前は悪だ!こらしめてやる!」と言うのはいいですけど、腹いせ程度にそうしたところで、当のロシアは全くひるまないでしょう。絶対にゴメンナサイとは言いませんし、軍隊も引き返しません。むしろ、対立を決定的に激化させるだけです。プーチンはプーチンの、そしてロシアの正義を振りかざしているのです。
現時点では、まだSWIFT(国際銀行間通信協会)からの締め出しは行っていないようです。SWIFTから締め出されると、ドル建ての国際取引が出来なくなるので、モノの売り買いが全くできなくなります。それはロシアに打撃ですが、EU、米国、日本にも打撃です。そこまで踏み込んだとして、それで降参するかと言えば、それもないでしょうね。きっと中国とロシアが接近して、人民元とルーブルを交換することでロシアの外貨獲得を陰で支援します。もちろん、国際的取引から追い出されたくはないので、中国は極秘にそれを実行するでしょう。北朝鮮がどうやってミサイル開発するお金を調達しているのか、不思議ですよね。そういう逃げ道はいくらでもあるでしょう。国際社会というのも、どうやら一つでは無さそうです。
後戻りがとても出来ない感じで状況が悪化し、この先に見えるのはやはり世界の分断です。鉄のカーテンが再び降りようとしています。ともすれば、日本と中国の間にもそのカーテンは及びます。それは、我が家族にとってはトンデモナイことです。絶対ダメです。55年生きてきて、今まで見た最悪の分裂劇はユーゴスラビア崩壊でしたが、今回のはスケールが違う感じがします。人類はどこまで劣化を続けるのでしょうか。プーチンだけが邪悪な様に言うのは間違っている気がします。プーチンはロシア人の求める英雄になろうとしているだけです。そもそも、どうして世界は対立し、分断に向かうのか、その背景にあるもの、人を理解することが必要と感じます。自分の幸せが他者の不幸になっているなら、それは幸せな状態じゃない。幸せの再定義が必要なようです。