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国立大学法人山形大学工学部教授の吉田司のブログです。2050年までのカーボンニュートラル社会実現に向けて、色々な情報や個人的思いを発信します。発言に責任を持つためにも、立場と名前は公開しますが、山形大学の意見を代弁するものではありません。一市民、一日本国民、一地球人として自由な発言をするためにも、所在は完全に学外です。山形大学はこのブログの内容について一切その責任を負いません。

2023年5月9日火曜日

男性目線

 先月末に、2回に渡って「”男性目線”変えてみた」というタイトルのNスぺが放送されました。しょっちゅうNHKの番組を話題にするので、「お前はNHKの回し者か!?」と思われる方もあるかも知れません。しかし、相当反響を呼んでいるようですね。実は世の中のことの多くが男性基準で決められていることに、当の男性が気づけていないという問題は、世界的に共通するところですが、特にこの日本ではヒドイ。御覧になっていない方は、是非NHKオンデマンドで(やっぱりNHKの回し者?いや、私は実はオンデマンド利用しておりません。録画しています。)

第1回は主に医療のこと。男女同じ扱いであることが社会的に求められる昨今ですが、こと体の仕組みについてはやはり性差はあり、同じ扱いは不適切というわけです。しかし、差別すべきところで適切な差別が行われておらず、医療的な診断法や処置が男性を基準に作られているために、女性に不利益を生じているというのです。これについては、特集記事もあります。

シリーズ“男性目線”変えてみた第1回 性差医療の最前線 - NHKスペシャル - NHK

番組見なくても、この記事でも分かります。これはこれで、知らなかったことも多かったし、面白かったです。家族にも大切な女子がいますし、是非医療の現場では公平であるために差別して欲しいものです。さらに言えば、性差以外の差も当然ありますよね。年齢や生活習慣。そもそも一人一人違って当たり前なわけで、理想を言えば一人一人に適した診断、処置を行って欲しい。まあ一番コストがかかるわけですけど。

さて、実はもっと面白かったのは(私の意見)、第2回目「無意識の壁を打ち破れ」で、特に男性が意識出来ていない社会的な差別を扱っています。特集記事が以下にまとめられています。

【#BeyondGender】4月30日(日)夜9時放送の「NHKスペシャル」で「“男性目線”変えてみた 第2回」が放送されます。

最初に出てくる、スウェーデンの除雪の取組については、別個特集記事があります。

【NHKスペシャル】ジェンダー平等の先進国・スウェーデンの取り組み|“男性目線”を変えて社会が変化

まあ、こちらは「ふーん」という感じでした。女性ももちろん自動車を運転します。でも、高齢者や子供にとっては、歩道を優先して除雪して欲しいのは当然ですよね。転倒事故が減って、医療費削減できたとか、それはまあ、こういう取組みを合理化する理由ってことでしょう。

一番学び、気づき、反省すべきは特に仕事における性差別、男性が無意識のうちに作り、女性を排除すると共に自らを(不当に)守ってきた壁です。OBNという言葉が出てきます。まさにそれ、それなんです。これに胡坐をかいでいる男性(特にオッサン、ジイサン)の何と多いことか!ええ、弱い男性はそこに入れないんですよ。具体的には妻がいて、家庭の仕事から解放されて、仕事100%の生き方を許されている男性が、能力は低くても有利な立場になりますから、それによって築いてきたOBNなわけです。ハイ、だから退場してもらうしかないんです。等の本人は、そのことに気付けてさえいないですから、やることなすこと間違いだらけ。何も変わらないどころか、どんどん悪くしている。

この第2回の内容について、杉江美樹さんという方が、解説、コメントしています。

DE&I変革のカギは"OBN"の解消〜NHKスペシャル「"男性目線"変えてみた」まとめ|杉江美樹|note

うん、その通りだと思いますよ。変な誇張とか、過剰反応をしているとは思いません。一連のハナシで大変不都合を感じ、感情的に反発したくなる(OBNの恩恵にあずかっている)男性も多いでしょうね。でも、この通りなんですよ。分かっていて、思わず目を背けたくなる痛みを感じる男性にはまだ希望があります。タチが悪いのは、気づいてさえいなくて、権力の中枢に居座ってしまっている男性です。

それで、ここらでやめとかないとならないんですけど、大学のハナシも出てきますよね。そーう、その通り!当方からすると、紹介されている国内大学の事例は、それでも羨ましい限りなんですけど、こんなのまだまだ。日本のガラパゴスぶりは凄いですよ、学術も、政治も。OBNを基礎とする世襲の様な人事。女性枠、というといつも学位とりたてのひよっ子ばかり(ゴメンナサイ)。そりゃあ、オッサンが手名付けられますよね。言いなりです。むしろ、男性教授が頭が上がらないぐらいの凄い女性教授が欲しい。せめて1/4。そしたら、文化が変わりますよ。男性か女性かでの差別なんて絶対出来なくなる。今は「女性を守るために」という名目で逆に女性を差別しまくる人がいるんです。例えば、育児のための支援が女性に対してだけ与えられるとか、オカシイでしょ?

「いやあ、女性は研究する時間が無いでしょ」とか「女性じゃ研究費取れないでしょ」とか「女性増やすと論文減るでしょ」とか平気で発言する、信じがたい様な化石男子もいました。それが全て間違っているのは、ちゃんと証明されています。過渡的に上記のようになったとしても、必ず良くなります。多様性こそが進化の仕組みです。目標が一つの時は、同質な人材を揃えることで目標達成へのスピード、効率は上がるでしょう。しかし、そういう組織は変化する能力を失うのです。高度成長期の日本は一つの方向を向いていた。男性中心の社会も、年功序列、終身雇用も、その時は機能したんですよね。でも、今は完全に邪魔なものになっている。自分とは違う人、扱いにくい人、すなわち自分には無い能力を持っている人、を上手くリードし、活用できる人こそが優れたリーダーですよね。でもOBNにどっぷり浸かってきた人には無理。だから静かに退場して、まずは女性にリーダーをお願いしましょう。(え、具体的には誰とか全然言ってませんよ!)

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