今朝とても気になるニュースがありました。動画で見ることが出来ます。
ビットコイン “グリーン”になれる?|おはBiz キーワード解説|NHK NEWS WEB
携帯電話などの無線通信や世界中に張り巡らされた情報ネットワークが大量の電力を消費しているとは聞いていました。私自身は全くそういうものの必要性を感じる様な生活をしていないのですけど、経済活動を加速して金を生み出すためのツールとして誕生した仮想通貨、ビットコインの運用に莫大な電力がかかっていて、テスラのイーロンマスクさんも、「グリーンじゃない」と批判したことで、その価値自体が急落したというハナシでした。
まあ、その仮想通貨がどれほど有用なものであるかの議論は出来ないので、さておき、このニュースの中で出てきた具体的な電力消費量はどれ程のものか、関心があったので、計算してみました。ニュースの中では「サーバステーション1つを1時間運用すると、住宅2万軒分の電力を消費する」とありました。それってどれぐらい?
まさか、住宅2万軒の1年分の電力ということではないと思います。同じ時間であれば、1時間も何も関係ないので、恐らくはサーバ1時間運用と、住宅2万軒の1日分が同じということと想像します(この前提が間違っていると数字が凄く変わってしまいますので、ここからの話には責任は持てません)。まず、アメリカの平均的な住宅1軒の年間電力使用量は11,000 kWhとありました。しかし、ここはテキサス。テキサス州の平均は全米平均の26%増しだそうなので、13,860 kWhです。2万軒分の1日は、
13,860 × 20,000 ÷ 365 = 759,452 kWh
となります。サーバ1時間で760 MWh!ほとんど原発1基(約1 GW)の電力を供給し続けることになってしまいます。24時間、365日コンスタントにこの電力が必要なら(それも不明ですが)、
759,452 × 24 × 365 = 6,652,800,000 kWh
出力1 Wの太陽電池が年間およそ1 kWhの電力を生み出しますので、仮にこれだけの電力を太陽光発電だけで供給しようとすれば、6.65 GWの太陽光発電所が必要になります。サーバーステーション1か所で?ちょっと上記のサーバ1時間で住宅1日分の2万軒分、という仮定が間違っている様に思います。1時間同士であるなら1/24で、サーバ1時間の電力は31,644 kWh、それが1年で277,200,000 kWh必要なので、必要な太陽光発電が277 MWになります。それでも凄い。まあ、住宅2万軒分は恐らくピークパワーの時で、24時間365日同じ電力を食うわけではないのかと思います。曖昧さが残ってしまいました。NHKさん、数字を出す時はちゃんとね!
しかしですね、1 MWのソーラーファームがどれほど広大かを見たら、この電力の凄さが分かります。スマートグリッドとか、ICTを上手に使えば電力の節約に貢献すると期待されています。でもそのICT自体が物凄い電力消費を伴う。う~ん、困ったねえ。地球全部に物や情報を流そうとする、すなわち血管の神経を地球サイズで張り巡らせるという行為自体が、脱炭素社会の実現と逆行しているということでしょうか。しかし、地球の反対側で起こっていることも、リアルタイムで知り、適切な行動を取れることは、便利なだけでなくて、恒久的な平和や持続性にも貢献している様には思います。正常進化なんですよね。
上記番組の中で、レポーターさんが、白いサーバがうずたかく積み上げられた異様な部屋に入り「気温が60℃です!」と伝えています。半導体デバイスに流れる電流は決して大きくないのですけど、あれだけ束になると、熱になって捨てられるエネルギーが莫大になるわけですね。電力を全部ソーラーにするとかだけじゃなくて、サーバーを全部水冷にして、近隣のお風呂はそのお湯で賄うとか出来ないものですかね?
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