今週末、10月31日から英国のグラスゴーで気候変動に関する国連会議、COP26が開催されます。バイデン米大統領や岸田首相が出席する、冒頭のリーダーズサミットには、中国の習近平国家主席やロシアのプーチン大統領は欠席だそうで、世界第一位と第四位の温室効果ガス排出国が欠席ということですね。今週末は衆議院選挙でもありますが、万一政権交代したらどうなるんでしょう?
【詳しく】地球温暖化を食い止められるか COP26の注目点は? | COP26 | NHKニュース
上記レポートで一番気になったのは、「国連の発表では「パリ協定」に従って各国がこれまでに国連に提出している目標を分析したところ、今の削減のペースでは、2030年には排出量は半減するどころか、2010年に比べ16%の増加が見込まれている」というハナシです。気候変動との闘いに勝者も敗者もなく、全員が勝者になるためには皆がかなり前に踏み出した目標を掲げ実行しなくてはならないわけですけど、お互いの顔色を伺いつつ、自分のところが損をしない様に目標の宣言について各国が牽制し合っています。現状の目標を達成出来たとしても、減少どころか増加というのは、かなりショッキングですね。なので、議長国イギリスとしては、自国が極めて高い目標を示すことで、他の国々からの一層の努力を引き出したいという思惑でしょう。
世界一の排出国である中国は、COP26を見据えて「去年のGDP=国内総生産当たりの二酸化炭素の排出量が2005年と比べて48.4%削減され、これまでに示していた削減目標を達成した」と中国が責任を果たしていることをアピールしたようです。
中国 “二酸化炭素排出量 削減目標を達成” COP26前にアピール | 中国 | NHKニュース
そう、そんなに減らしているの?と思ってはなりません。「GDPあたりの排出量を48.4%削減・・・」と言っているだけで、総排出量はしっかり増えています。GDPが物凄く増えていますからね。中国はまず経済成長優先、しかし生産量あたりのGHG排出は減らしますよ、というのが予てからの主張です。全体量としては、「2030年までに減少に転じる」「2060年までにカーボンニュートラルを達成」という従来からの目標を変えない方針であり、すなわち2030年まではいくらでも増やしますよ、というのですからかなり困ったものです。
気候変化による災難は世界中に及びます。短期的に優位であることなど、全く取るに足らないことですから、世界のリーダーは是非協力し、より強い取組みに同意してもらいたいものですが、議論は相当難航するであろうことが予想されます。皆さんも来週以降の報道に是非ご注目ください。
NHKがCOP26関係と、気候変動への取組みに対する特設サイトを公開しています。色々な情報がありますから、是非ご覧ください。
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