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国立大学法人山形大学工学部教授の吉田司のブログです。2050年までのカーボンニュートラル社会実現に向けて、色々な情報や個人的思いを発信します。発言に責任を持つためにも、立場と名前は公開しますが、山形大学の意見を代弁するものではありません。一市民、一日本国民、一地球人として自由な発言をするためにも、所在は完全に学外です。山形大学はこのブログの内容について一切その責任を負いません。

2021年5月13日木曜日

コカ・コーラ100%再生ペットボトルへ

 日本コカ・コーラは、主力商品であるコカ・コーラのペットボトルを全品回収し、ここからリサイクルしたペットボトルを容器とする製品に今月末から置き換えして、最終的に100%リサイクル品に変えることを発表しました。

100%リサイクル容器 主力炭酸飲料に使用へ 日本コカ・コーラ(NHK)

同社のミネラルウォーターの「い・ろ・は・す」という製品は、ペットボトルの薄型化だけではなくて、既に100%リサイクル品に置き換えられているようです。最大手清涼飲料メーカーとして、やはり持続可能性に対する企業責任が高いということでしょう、同社のウェブにはサステイナビリティに関する詳細なレポートも掲載されています。

coca-cola-sustainability-report-2020.pdf (cocacola.co.jp)

今、プラスチックごみが大問題となっていることは皆さんよくご存知だと思います。最終的に海に流れ着き、どんどん小さな粒になってマイクロメートルサイズ以下のプラスチックが海水中に漂い、これが魚介類に取り込まれ、人の細胞組織にまで入り込んでいる可能性が高いというレポートもありました。生物の多様性、特にSDGsの14番の「海の豊かさを守ろう」は魚のためだけではなくて、人の健康も脅かす大問題であることは認識していなくてはなりません。そして、当然限りある石油資源を使い捨てにするということ自体、持続可能ではないことは明らかです。

元素が失われるわけではないですから、クリーンなエネルギーが無限に得られるのであれば、コストは別としてもリサイクル出来ないものなど無いでしょう。しかし、現実にはコスト的制約と利便性の追求で、リサイクルが優先されてこなかったのがこれまでの歴史です。私が子供の頃は、コカ・コーラは瓶に入っているのが普通で、それは返却し、洗浄して再度製品を入れ、流通していました。だから、瓶の表面は傷だらけでした。重いし(輸送にかかるエネルギーが大きい)割れるガラス瓶に対して、軽量で丈夫なペットボトルは確かにとても便利です。でも、飲料に限らず、食品の包装に使われるプラスチックの多さは、目に余る状況ではあります。食料品の買い物は普段妻に任せることが多いですが、我が家では朝食も夕食も私が作ります。なので、食事を準備する過程で、肉、魚、野菜、乳製品などなど、それを包んでいた包装、プラスチックトレーなどのゴミがいつも大量に発生するのを目の当たりにするわけです。確かに、買い物に行った時は便利。中身が良く見えますし、衛生的で、買い物かごにポイっと入れてバーコードでさっさと会計を済ませられます。子供の頃は、買い物かごを持って買い物に行き、肉屋さんで肉を紙に包んでもらい、いちいち会計し、次は八百屋さんへ、の様なことをしていたのをよく覚えています。

便利さと引き換えにした過大な環境負荷。豊かさを手に入れた国の特権として、プラスチック包装に支えられたクリーンで便利な生活をずっと享受してきました。ただ、それも限界に来ているということであり、いかにして利便性を犠牲にすることなく、持続可能な仕組みに変えていくか、食品包装もその重大な局面にあると言えますね。個人的には、ペットボトルに付いているシュリンクラベルも不要だと思っています。透明なボトルにレーザーマーキングで内容物を表示してはいけないのでしょうか?そうしたら、リサイクルも楽になると思いますけどね。

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