自動車の電動化について、トヨタ自動車からプレス発表がありました。
トヨタ、電動車販売30年に800万台計画 うちEVとFCV200万台(朝日新聞Digital)
ここでいう電動車は「電気を使う」ということで、「電気だけで走る」という意味ではありません。なので、現在主力のHVや、さらにPHEV(表記はPHVでも良いです)など、ガソリンを一次エネルギーとしつつも、電気を動力源に使うことで低炭素化した車両も含む、ということです。トヨタ自動車の年間生産台数は1000万~1100万台なので、それでも8割近くをあと9年で電動化するということになります。もっと肝心なのは、全体の2割に迫る車両を純粋な電動車(EVとFCV)に変えようというのですから、これは先日話題にしたホンダの目標にほぼ肩を並べます(EVシフトを考える④)。そして、絶対数ではテスラの年間生産台数50万台の4倍に達するということなので、トヨタのEVやFCVというのは全く珍しくないという状況が、あと9年で生じているというスピード感です。一方で、残りの2割強は内燃エンジン(ガソリン、ディーゼル)による車両を残すということでもあり、内燃機関に引導を渡すわけではないですよ、というトヨタの考え方が見て取れます。水素とか、アンモニアとか、バイオ燃料とかもありなのかも知れません。走りながら考えるというか、成り行きを見てどういう状況にも対応出来るように技術開発は進めて行こうという合理的な戦略かと思います。全方位的にやろうとするのは、日本的なコンサバティブネスであると批判する向きがあるのも理解は出来ます。しかし、先日のホンダの全面電動化への意志表明の方が夢があって、カッコイイかと言ったら、むしろ可能性の芽を潰す選択と私は感じました。人の営みである研究開発には多様性が大切。この指とまれで一つの究極(と信じたがっているだけ)に賭けるというのは人々の能力を信じ、多様性を尊重した考え方とは思えません。ERESTAGE LABでも指摘されていましたが、恐らくホンダのエンジン技術者はトヨタやマツダに逃げるでしょうね。
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