米沢市を中心とする、ここ山形県置賜(おきたま)地方では、「草木塔」という石碑をよく見かけます。全国に100ぐらいある草木塔の90ぐらいが山形県にあり、さらにそのうち70くらいは置賜にあるそうで、1780年に建立された日本最古のものは、米沢市の田沢地区(山間部、福島県喜多方市に至る国道121号線沿い)にあります。写真は、平成九年に建てられた道の駅田沢にあるものです(私よくバイクで行きます)。
で、草木塔とは何か?にわか知識で私などが書くのもナンですが、草木を供養し、その成長を願うというものです。米沢藩の屋敷が大火で消失した際に、この田沢地区から多くの木が伐り出され、再建されたそうで、自然の恵みに感謝すると共に、供養をしたというわけです。上杉鷹山の時代です。それが地域に広まったことが、置賜地区に草木塔が多数ある理由ということです。
それで、最近では自然との共生のシンボルとして、再び草木塔の意義が見直されているというわけです。この草木塔の理念も手伝って、2021年には米沢市が内閣府の「SDGs未来都市」に選ばれました(飯豊町、鶴岡市に次いで山形県で3番目)。米沢市の未来都市宣言タイトルが凄くて、「~果敢な挑戦と創造の連鎖~市民総参加で実現するSDGs未来都市米沢」だそうです。市民、総参加しますかね?米沢で暮らしていると、市民の地元愛が凄いというのは感じます。一方で、都市の環境は「未来都市」って感じではなくて、10年暮らしていてもほとんど何も変わりません(市役所は最近新しくなった!)。これは、ある意味都市機能がかなり最適化されているからで、変えることが不要だから、とポジティブに捉えたいですね(お金が無いからと言わないで!)。例えば、先日も話題にした中国の深圳の街中を歩いていると、汚くて古くて今にも壊れそうな建物とピカピカのビルが混在していて、常にあちこち工事中のために歩道は歩きにくいことこの上なかったです。それは、都市がダイナミックに変動し続けていることの証で、きっと2,3年後に行ったら全然変わっているんだろうな、と思わせるに十分なほど、街全体が建設中、ずっと建設中、という感じでした。活気に満ちている、と言えば確かにそうです。対して古くからある米沢は、色々な機能が既に最適化され、成熟した街と言えます(無理がある???)。だから、変えなくていいんです。これ、大切なことだと思うんです。今までの様に、まだ使えても「古臭いから」と破壊の対象になり、新しいゴミをどんどん生産する、それって持続可能性の対極にある生き方です。だから、誇りを持って、「未来都市ってのは、必要も無いのにどんどん新しいモノを作ったりしない都市なんです」と言って欲しい。SDGsのために必要なのは、考え方のシフトであり、それに沿った方向転換だと思います。これまでの資本主義原理が破綻し、持続できない生き方であったことは既に完全に証明されてしまっています。
最後に、久々に写真を入れたのでもう一枚。山形県朝日町にある、「椹平の棚田」(「くぬぎだいら」と読みます)が田植えの最中でした。こういう美しい里の風景を、後世にも残したいですよね。
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