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国立大学法人山形大学工学部教授の吉田司のブログです。2050年までのカーボンニュートラル社会実現に向けて、色々な情報や個人的思いを発信します。発言に責任を持つためにも、立場と名前は公開しますが、山形大学の意見を代弁するものではありません。一市民、一日本国民、一地球人として自由な発言をするためにも、所在は完全に学外です。山形大学はこのブログの内容について一切その責任を負いません。

2021年5月22日土曜日

外国人と食事してはいけません!?

 まったく、開いた口が塞がらないとはこのことです。グローバル化とかが日本村で叫ばれるようになって久しい2021年に至ってもなお、こんなニュースが出てきてしまうのです。

”外国人と食事しないように”感染予防啓発文書に保健所が記載(NHK)

茨城県の保健所が、地域の農家に対して雇っている外国人と話したり、一緒に食事をしないように、という通知を出していたというのです。それはコロナウイルスに感染する危険があるから。これを見た外部の人から「不適切」と指摘があり、撤回したとのことですが、一旦出てしまったことは、心の底でそう思っているということを既に証明してしまっています。NHKの取材に対しては「外国人を差別する意図は全くありませんでしたが、誤解を招く表現があったとしたら申し訳ありませんでした」と反省の弁があったようですが、本当に「誤解」「間違い」でしょうか?心の中では外国人は皆危険だと思っていませんか?自分の愚かさに気付き、公的機関としてこんな恥ずかしい通知を出してしまったと認めるなら、誰も聞いてくれなくても、誰も許してくれなくても、大反省の記者会見を保健所が開くべきです。

全く怒り心頭です。重労働が多く、高齢化が進む農家にとって、外国人技能実習生は欠かすことの出来ない人材になっていると思いますが、その方々はコロナウイルス感染拡大地域からつい先日来日したのですか?かなり長期間日本で生活している方がほとんどではないですか?今の状況を考えると、例えば直前にインドに滞在していた人は入国禁止するなどは合理的ですが、その場合も入国を禁止するのは「インド人」ではなくて「インドにいた人」です。国籍や見かけによって、「気を付けた方が良い」と思うだけでも明確な人種差別です。感染しやすい人種とか、長期間保菌してしまう人種とかあるのですか?

つい先日、YUCaN研究センター関係の打合せを兼ねて、山形大のJiptner先生(ドイツ人)とKhosla先生(インド人)と一緒に食事をしていました。大の仲良しなので、ずーっと英語で談笑していました(今の時期多少憚られますが、三人です)。隣のテーブルには日本人(と思われる)親子がいましたが、ひょっとしてずっと不快だったでしょうか?感染の危険を感じましたか?これら二人の先生は、一見しただけで日本人っぽくは見えません(そもそも外見とか人種じゃなくて、法的な帰属ですけどね、国籍は)。しかし、お二人ともしばーらく、日本の外には出ていません。出られるわけありません。同じ場所に住み、同じものを食べているこの人達が、出来れば避けた方が良い感染リスクになりますか?私も日本語を一言も話していなかったので、外国人に見られましたかね?私の妻は中国出身です(帰化したので日本人ですが)。家族で外食することもよくありますが、彼女が中国訛りの日本語で注文している時に、隣のテーブルの人が「ゲッ、中国人!」となっているのでしょうか?私は、子供たちにどう説明すれば良いでしょう?「半分中国人でゴメンね、我慢してね」と言うのですか?(もちろん、子供たちも法的には日本人です)

ちょっと読んでも面白くないし、共感を呼ぶわけでも無い感情的な書き方をしましたが、この件については自分ごとでもあるので久々に頭に来ました。あまりにも嘆かわしい。こんな国がSDGsの達成に貢献出来ますか?一致協力してカーボンニュートラルを達成出来ますか?技術課題や行政の制度の問題と片付けて、本質的な問題から逃げないで欲しいと思います。これらを達成するのは人であり、この様な嘆かわしい出来事を深く反省して、自らを変えていく努力が全ての人たちに求められます。

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