福島第一原発で問題となっている、大量のトリチウム汚染水からトリチウムを分離する技術開発を東京電力が公募しています。
東電 トリチウム分離技術を公募 福島原発の処理水問題で | 福島第一原発 処理水 | NHKニュース
公募はNine Sigmaを通じて行われています。公募情報のページは以下です。
NineSights Community - Need Gallery: NineSigma Asia Pacific Gallery
様々な放射性物質を含む汚水は、多核種除去装置によって処理され、重い放射性物質を除去したALPS処理水となり、これがあの多数のタンクに貯蔵されています。しかし、三重水素、トリチウムは水分子に取り込まれ、HTO(分子量20)として存在し、H2O(分子量18)に混ざっていますから、これを短時間で大量に、効果的に除去する方法が確立されていません。ゆえに、海洋投棄しかない、という政府の決定になっているわけです。トリチウムは半減期12.3年でベータ崩壊して安定なヘリウムの同位体3He(通常のヘリウムより軽い)になります。
(3)T ➝ (3)He + e- + ν (18.6 keV)
なので、高濃度になれば当然危険です。通常の運転であっても、原子炉では常にトリチウムは生成しており、これを除去することが出来ないので、全ての原子力発電所からはトリチウムが海洋投棄されています。だから福島第一原発の汚染水についても、海洋投棄はやむなし、という考えなわけです。
しかし、以前も話題にしたとおり、だから問題ナシで、トリチウムが投棄された海から獲れた魚を喜んで食べるよ、とは誰も思わないわけです。「風評被害を防ぐために丁寧な説明をして」というのが全く無力であることに、ようやく気付いたのでしょうか。出来る出来ないでは許されず、出来るまで挑戦しろ、ということです。思考停止してはいけませんね。
電気化学的な反応とか、H+とT+を分離できる高分子電解質とか、何か出来ることはあるかも?もしトリチウム分離に成功すれば、事故の後処理だけではなくて、世界中の原発からのトリチウム排出を無くせるかも知れません。機会があるならば挑戦したい課題ではあります。今科学を学ぶ皆さんも、是非一緒に考えましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿