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国立大学法人山形大学工学部教授の吉田司のブログです。2050年までのカーボンニュートラル社会実現に向けて、色々な情報や個人的思いを発信します。発言に責任を持つためにも、立場と名前は公開しますが、山形大学の意見を代弁するものではありません。一市民、一日本国民、一地球人として自由な発言をするためにも、所在は完全に学外です。山形大学はこのブログの内容について一切その責任を負いません。

2021年6月12日土曜日

Kawasaki Noslisu

 マイクロ電動モビリティの話題です。オートバイで有名な川崎重工(Kawasaki)から、Noslisu(ノスリス)というヘンテコな名前の三輪車が発売されました(現状では限定販売)。

noslisu | ノスリス

その使用レポートは以下にあります。

先行販売は即日完売…川崎重工の電動三輪車「ノスリス」 実際に試乗してみた (1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト

コンパクトでパワフルなLiイオン電池が広まったお陰で、電動モビリティーの幅は一気に広がりつつあります。世間では従来の自動車よりも静かでパワフルなEVばかりが注目されている感じですが、むしろ電動化のメリットが大きいのは軽くて小さく、少人数+ちょっとの荷物+ちょっとそこまで、という使い方に適した乗り物だろうと思います。先日話題にした、電動キックスケーターはその最たるもので、折りたたんで小脇に抱えられる様なものであれば、電車やバスとの併用も可能です。

さて、このノスリスですが、Kawasakiブランドのバイク技術がフィードバックされているところが魅力的です。見かけこそ、よくおばあちゃんが乗っていた三輪自転車(最近は電動アシスト付きもあり)と同じに見えますけど、走行のメカニズムが違います。前二輪はヤマハトリシティの様に平行に傾き、ライダーもオートバイの様に体を傾けて(リーンして)曲がることになります。プロモーションビデオの走行状態を見ると、オートバイみたいでちょっとスポーティーな感じですよね。前二輪はリンク機構によってストロークしますから、片輪が段差に乗り上げた時ももう一つの車輪が地面を捉える様になっています。要はトリシティのコンセプトと同じで、転倒しにくいというところが大きな安心感になります。この前輪の間には大きなカゴがあって、20キロまで荷物を積めるそうです。スーパーでコメを2袋買えますね!

かなり大きな車体の様にも見えますが、重量は40キロにも満たない様ですので、かなり軽量と言えます。先日紹介のGlafitと同様、自転車のパーツをうまく使っています(硬そうなサドルはちょっと・・・)。バッテリーの容量や航続距離はアナウンスされていませんが、重量は4キロとのこと。まあ、そこはある程度自由度があるでしょう。満充電で50キロ走れたら恐らく十分ですよね。小さいバッテリーは充電も速いということを忘れてはなりません。まあ、ここはサイズの違うバッテリーを用意するとかも良いでしょう。ペダルで漕ぐ電動アシストタイプは誰でも乗れて、モーターだけのEVタイプはマイクロカー登録で、普通免許が必要、けど二輪車ではないのでヘルメットの着用義務はナシ、となるようです。時速40キロも出るそうですよ。ただ、現行法を適用するのにもそろそろ限界があるので、法整備等も含めた環境整備が必要と思われます。

三輪車なら、未舗装路の様な滑りやすい路面、それこそ少々の雪の上でも転びにくそうなので、山形には合っているかも知れませんね!とにかく、こういうコンパクトモビリティーが普及することは、無用に大きい自動車(仮にEVであっても)を利用したりする機会を減らし、低炭素化に大きく貢献すると思います。そのためには、車両登録や税制、免許の要不要、ヘルメット着用の義務、道路走行帯、車道右折の可不可、など新種の登場に合わせて変える必要があるでしょう。出来れば、そうしたマイクロモビリティーの専用走行レーンを整備するとか、混雑した都市部への自動車の乗り入れ制限をするとか、電動コンパクトモビリティー(マイクロEV含め)を税制上大きく優遇するとか、そういう環境整備によってその普及拡大を後押しして欲しいですね。今は実験的な車両が色々出始めている段階ですが、法整備を急いできちんとした車両カテゴリーに育て上げて、輸出産業としても強いものにしていくべきと思います。

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125

 「125」この数字が意味するのは何でしょう?はい、私はオートバイが大好きで、特に手に余らず、使い切れるパワーで軽量な125ccクラスのバイクが好きです。高速道路は乗れないけど、バイクで高速道路走っても、ちっとも面白くないし、二人乗りだって出来るし、燃費良くて維持費安いし。今ウチ...