このオジサンが知らなかっただけで、未来志向の行動力を持った若者は、当然知っているのでしょうか?
慶応大学学生の能條桃子さんが代表を務める団体で、U30世代が日本の未来に対して、政治や社会問題について考え、もっと声をあげようと自らを啓発する活動をされています。オジサンやオバサンは口出ししてはいけませんが、覗いてみても叱られないと思います(叱らないでくださいね)。誕生して2年足らずの団体で、どうも学生さん4名だけで運営しているみたいですが、既に4.5万人のフォロワーがいるとのことで、活動に共感する同世代がいるということですよね。
大学の先生、オッサン中のオッサンの私からすると、「素晴らしいね!」と賛辞を送りたくなります。本当に、心からそう思います。その活動の内容を批評したりするつもりも毛頭ありません。ウェブを検索すると、この活動を批判する様な同世代からのコメントもありましたが、行動している彼女たちは立派だと思います。文句があるなら、意見を戦わせたらいい。そうして互いが鍛えられるものでしょう。また、私も言葉に気を付けたいですが、「うーん、微笑ましいですね」みたいな茶化した態度を年上の世代は慎むべきでしょう。自ら考え、行動する。それ以上のことがあるでしょうか。
NYNJの発する言葉で考えさせられたのは、「政治や社会問題について話すと『意識高いね』と言われてしまう」(だから声を発しにくい)というものです。普通に考えると『意識高いね』は、「高い意識を持っているあなたは素晴らしいから友達になりたいし、見習いたい存在だ」ということだと思うんですけど、どうも違う。「ふーん、意識高いんだねー(目立ちたいのかお前、嫌なヤツ)」というネガの反応のこと(らしい)です。いわゆる「空気の読めないヤツ」って見られちゃうから、周囲に埋没していた方が良い、人と違うことなんてしなくていい、ということ?困ったな―。意識高くて大いに結構じゃないですか!
で、結局そこに見えるのは日本特有の「空気の支配」ですねえ。出る杭は打たれる。人と違うことをすればいじめの対象になる。村八分になる。空気の支配は、大人の世代でもっとひどいんですけど、それが若者の自由を奪い、行動を規制するところまで浸透している。それを肌で感じているから、先の『意識高いね』という言葉が発せられるんでしょうね。彼女たちはそれを乗り越えて、声を発し、行動することを始めたわけです。
「今の若い世代は・・・」は世代を越えて繰り返されてきたセリフです。私自身も、大学生の不勉強ぶりや無関心ぶりに落胆して、つい苦言を呈してしまいますが、昔はそう言われたほうです。空気が読めなくて苦労したことも多かった(未だにそうかも?)。結局若者をそういう状況に押し込めているのは社会をコントロールしている世代(特にオッサン)ですよ。だから、それを変える努力をしていないオッサンは文句は言えない。責任は年寄り世代にある。この逆境にも負けずに頑張っているんだから、最大限の賛辞を送りたいですね。
しかし、お願いもあります。そんな年寄りたちが自らの問題に気づくためにも、是非世代を越えた対話を大切にしてください。遠慮なんてしなくていいです。エラそうなこと言って、君たちを抑圧する人がいたら「どうせ先に死ぬんだ」と心の中でつぶやいて、許してやってください。同調はしなくていいです。年寄りにも色々います。年寄りはなかなか変われないけど、全く変われないわけじゃないです。それから、こうした若者のムーブメントは、継続性というところが課題になりますよね。果たしてこのNYNJが3年後にどうなっているかですけど、まあ無くなってしまっても構わない。でもその代わりになるものがきっと出来ていますよ。この能條さんだって、別に自分自身がレジェンドになりたい、自分のレガシーを残したいと思ってやっているわけではないのだと思います。こういう経験を通じて自らが成長していくだけです。きっと素敵な大人になっていることでしょう。
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