先日の熱海での土砂崩れによる災害ではいまだに行方不明者の捜索が続けられています。今年もまた、九州や山陰、東海などで集中豪雨が発生し、多くの被害が出ました。熱海の災害では、土砂崩れが起こった箇所のすぐ近く、山の尾根に沿う様にしてメガソーラー発電所があり、保水力の低下が土砂崩れ発生の要因になったのではないかと指摘されています。静岡県の調査では直接の因果関係は認められない、ということになっている様ではあります。とは言え、日当たりの良い山の斜面にメガソーラーを建設するとなると、当然日射を遮る木を広範囲に渡って切る必要があり、土砂を支える木々が失われることで土砂が流出しやすくなるであろうことは想像できます。
ここに来て、改めてメガソーラーの土砂災害リスクの評価が進められているようです。NHKからまとまったレポートが出されました。
太陽光発電施設の立地を分析 1100か所余に土砂災害リスク | 環境 | NHKニュース
驚くのは、9800あまりの調査個所の10%以上に災害リスクがあるという実態です。そして、この10年で20倍近く増大したということで、急速に開発が進む中でリスク評価や対応が後回しにされてきたことが明らかです。
2030年時点でGHG46%削減のためには、今後これまで以上に太陽光発電の拡大を急加速させなくてはならない状況です。少々変換効率が上がったところで(実際にはそれも難しい)かなりの土地をメガソーラー向けに開発する必要があります。平地の少ない日本ではとても重要な問題で、農地に太陽電池を設置するソーラーシェアリングや建物の壁面や窓までを太陽電池にするBIPVの普及を進めなくてはならないでしょう。人の管理の行き届いた場所に太陽光発電を設置するこれらの方法の方が、山を切り開いてメガソーラーを建設するよりは災害を未然に防げる様に思います。
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