本当は最新のIPCC6次報告書について投稿したいと思っていたのですが、まだちょっと読み込みが足らないので、小ネタの紹介。
これをEVシフトのハナシと関連付けて良いものかどうかは分かりませんが、予てから噂されていた、マツダのロータリーエンジン復活が秒読み段階に入っていると思われます。
「ロータリーエンジン」復活か!? 電動化示唆する新ロゴをマツダが製作 「早く世に出したい」と意気込む | くるまのニュース (kuruma-news.jp)
明らかにロータリーエンジンのローターを型どっていますし、アルファベットのeの形もしており、電動化技術とロータリーエンジンの関係を示すものです。マツダは既にMX-30というコンパクトSUVクーペ(そう呼んでいいのか?)のEVモデルを販売しています。モーター類が納められているエンジンルームがスカスカで、そこに”レンジエクステンダー”が搭載されるだろう、とデビュー当初から言われていました。レンジエクステンダーとは、小型の発電用ガソリンエンジンで、EVのバッテリーが無くなりそうになったらこれを駆動してバッテリーを回復させるというものです。動力装置(電気モーターとガソリンエンジン)と燃料タンク(バッテリーとガソリンタンク)を2セット積むので、非効率の様にも思えます。日産のノートeパワーと何が違うのか、と言えなくもありません(あれはエンジンをほぼ常時駆動するのでバッテリーが小さい)。シリーズ方式ハイブリッドの一種とも言えます。ただ、レンジエクステンダーは緊急用という感じで、燃料タンクは小さいみたいですし、エンジンも小さいです。そのままでクルマを駆動することは出来ません。最も効率の良い状態で定常速度運転をして、電気を作ることに専念しますので、排気量の割りには効率が良い、ということになります。でもまあ、何だそれだけ、という感じでしょうか?
しかし、今回マツダはこれを伝統のロータリーエンジンを復活させることで成立させようというわけで、そこに面白さがあります。ロータリーエンジンはマツダが発明したわけではなくて、元々Wankelというドイツの会社が発明し、1950年代にNSUというメーカーのクルマに搭載されていました。その技術ライセンスをマツダが購入して、コスモスポーツとか、1960年代に販売します。それを受け継いだのが有名なRX-7というスポーツカーです。私の昔の友達がRX-7に乗っていて、何度か運転させてもらいました。何ともパンチの無いエンジンで、すーっとスピードを上げていく独特のフィーリングですが、べらぼうに速いです。通常のエンジンの様にシリンダーとかピストンとかが無くて、まゆ型のハウスの中におむすび型のローターが入っていて、それが1回転する中で吸気/圧縮/爆発/排気が行われる仕組みです(詳しく知りたい人はWikipediaとか調べてください)。小排気量でも非常にパワフルで、振動がほとんど無いのが利点ですけど、燃費が物凄く悪いので、マツダ自身もやめてしまいました。それが今復活するというわけです。何で?恐らく負荷変動の無いレンジエクステンダー用であれば、効率は悪くないのだと思います。それから、コンパクト軽量に出来ることは明らかなメリットです。
そして、実はそれが一番重要なんですが、恐らくは将来水素ロータリーにすることを目論んでいます。マツダは既に水素ロータリーエンジンを搭載したRX-8を限定的に販売したことがあります。つい先日のトヨタの水素エンジン程にはパワフルではなくて、当時の水素エンジンはガソリンエンジンに対してパワーで劣っていましたが、それもレンジエクステンダー用であれば解決できるということでしょうか?いずれにしても、そうなればレンジエクステンダーを使ってもゼロエミということになりますから(グリーン水素を使うこと前提ですけど)、レンジの小ささと充電の手間というEVの最大の問題点を解決できる可能性がありますよね。
昔っからのロータリーファンには、なーんだ、かも知れません。ロータリーエンジンでクルマを動かすわけではなくて、それで作った電気でEVが走るだけですからね。でもまあ、必ずしも新しい技術だけではなくて、既存の技術を新しい目的に活かすというのは大切な考え方だとは思います。水素になると、2ストロークエンジンも再度脚光を浴びるかも知れないし。
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