このブログについて

国立大学法人山形大学工学部教授の吉田司のブログです。2050年までのカーボンニュートラル社会実現に向けて、色々な情報や個人的思いを発信します。発言に責任を持つためにも、立場と名前は公開しますが、山形大学の意見を代弁するものではありません。一市民、一日本国民、一地球人として自由な発言をするためにも、所在は完全に学外です。山形大学はこのブログの内容について一切その責任を負いません。

2021年11月25日木曜日

再エネ施設見学

 先日紹介した浪江町のFH2Rは再エネの未来像とも言える施設でしたが、ある意味普通の従来からある再エネ施設を最近訪れていました。山形県内や近隣県にも多くの再エネ施設があります。

まず最初は、家のすぐ近くに建設が進められている「川西ソーラーパーク」。潰れてしまったスキー場の跡地を利用して、なだらかな山を覆う様にソーラーパネルが設置されています。この場所は時々通りがかるのですが、突然ソーラーパネルで覆いつくされていたので驚きました。どれぐらい広いのかこの写真ではよく分かりませんが、25 MWということなので、国内では結構大規模なソーラーファームですね。近くまで行ったのですけど、工事中で入れません。その昔のスキー場ホテルと思われるコンクリの建物がお化け屋敷の様に朽ち果てて、そのままになっています。いずれ見学できる様になるのかも知れませんが、現状は遠くから見るのみです。何しろ雪が沢山降る地域ですから、ソーラーパネルは全部陸からかなり持ち上げられて設置されています。最近の事故を受けて、しっかり基礎の工事をやっていると信じたいですけど、傾斜地ですし、大雨の時に土砂崩れとか起こさない様にして欲しいですね。でも、ふもとにはほとんど住宅などはありません。こういう場所も上手く使わないと、日本ではソーラーを拡充するのは難しいですから、しっかり対策をしたうえでこういう施設を増やしていって欲しいものです。
次は、山形県庄内町にある「立川ウィンドファーム」。元々この地域は立川町だったみたいです。最上川に沿って吹く「清川だし」と呼ばれる風の好立地のため、古くから国内での風力発電推進のための研究もここで行われていたようです。広大な田んぼの中に10基程度、そして周辺の山の上にも10基程度、合計20基程度の風車を見ることが出来ます。1基あたりの出力は600 kWぐらいのようです。「ウィンドーム立川」という施設があり、地域での風力発電開発の歴史を紹介する施設や、電気カーにも乗れる子供の遊び場などありますが、ややさびれた感じで、展示物はちと古臭い感じではありました。まあ、近々洋上風力発電が本格稼働することになるでしょうけど、さきがけの地として、再エネを皆さんに考えてもらう施設を拡充して欲しいものだとは思います。田んぼの中にある風車は、そのすぐ下にまで行くことが出来ます。巨大な羽根がグルグル回る様に、子供たちは「怖ーい!」。確かに、もし落っこちてきたらどうしよう、という感じはします。しかし、その大きさを見ることで、電気にも大きさがあって、エネルギーを生み出すのは大変なことなのだ、ということを子供たちも数字でなくても理解した様に思います。
最後は、福島県奥会津金山町の「道の駅奥会津かねやま」に併設された、「みお里」という水力発電を紹介する施設です。2020年にオープンした出来立ての綺麗な資料館(?)で入場は無料で、絵ハガキのオマケまでくれます(私が行った時点での話なので、もらえなかったらゴメンナサイ)。阿賀野川の支流、尾瀬を水源とする只見川は、高低差が大きい深い谷を流れる川で、戦前からその水力発電利用の開発が進められたそうです。本格的には、戦後東北電力の初代会長となった、あの有名な白洲次郎氏がその開発の指揮をとったんです。
白洲次郎、カッコ良すぎて男の子はちょっと憧れちゃいますよね。あの時代に、あんな国際人がいたこと自体が伝説になっちゃいます。この椅子、マッカーサー元帥に送ったもの(たぶんレプリカ)だそうですよ。座ってみましたけど、座り心地は良くない。白洲次郎の生き様を紹介するコーナーのほか、4K画像のシアターでは、水力発電開発の歴史などを学べます。そしてハイライトは、実は美術館なんです。奥会津の景色などを描いた絵画やステンドグラス、そしてあの片岡鶴太郎氏の絵画も展示されています。
子供たちは、このプロジェクションマッピングによる、只見川の水力発電施設の紹介や、インタラクティブな水力発電の仕組みを学ぶ模型、東北電力管内にある太陽光、地熱、バイオマス、風力などの再エネ施設などの紹介を楽しんでいました。無料でしたけど、結構楽しんでしまいました。近くへ行った時は是非立ち寄ることをお勧めします!
最後は、みお里の近くにある、沼沢湖を訪れました。カルデラ湖だそうですが、只見川よりも200メートルほど高地にあり、只見川とトンネルで結ばれていて、揚水式電力貯蔵が可能な水力発電が地下に建設されているそうです。凄い!電力が余った時には只見川から水を汲み上げてこの湖に貯めて、発電する時には湖の水を只見川に落とす仕組みです。実際大分登りますけど、川のすぐ近くなので、こんなことが可能なんですね。揚水式ダムはとても有効な再エネ電力貯蔵設備になりますが、なにしろそんなのに適した場所は多くはありません。なので、やはり巨大な電池とかの蓄電設備が必要になってしまいますね。
というわけで、近くにこれほど再エネ施設があるということが嬉しい驚きでした。中が見れなくても、斜面を覆いつくすソーラーパネルや巨大な風車が動く様を見るだけでも、脱炭素に向けて色々考えさせられてしまいます。新しい時代の到来を(その困難さも含めて)リアルに感じるためにも、是非足を運んでみることをお勧めいたします。次は地熱発電を見に行きたいと思ってます!






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125

 「125」この数字が意味するのは何でしょう?はい、私はオートバイが大好きで、特に手に余らず、使い切れるパワーで軽量な125ccクラスのバイクが好きです。高速道路は乗れないけど、バイクで高速道路走っても、ちっとも面白くないし、二人乗りだって出来るし、燃費良くて維持費安いし。今ウチ...